大崎市 鳴子温泉
潟 沼
ここで採集されたサンプルの観察結果を Google で検索 お知らせ

宮城県鳴子温泉の南,標高約306m(湖面)に位置する沼。酸性度の強い沼として知られる。 しかし,その沼の水はいつも青々としている。 緑色の正体は クラミドモナス(ないしその仲間)で, 研究室では塩酸を加えてpH2.0の条件にした培養液で非常によく増えている。
ここを訪れたのは今回が二度目。駅からタクシーで山を登り,復路は持参した折りたたみ自転車で山を降りた。
観察された原生生物名一覧(現在 4 種)

採集日:2006.10.28 ウオッちず で位置確認

潟沼に到着(大崎市鳴子温泉),11:07-11:08
1枚目:到着してすぐに自転車を組み立てる。前方に見えるのは「鳴子町クレー射撃場」の看板とその関連の建物。 射撃場は画面の左側にあるらしいのだが未確認。 2枚目:沼の反対側の岩肌(ここが射撃場?)。 3,4枚目:前方の右側を降りると潟沼が見えてくる。

潟沼(大崎市鳴子温泉),11:08
道路から沼を撮影。

潟沼(大崎市鳴子温泉),11:09-11:10
1枚目:道路を降りて沼へ近付く。 2枚目:前方には「潟沼レストハウス」が見える。この辺から,時々硫化水素の臭いがするようになる。 3枚目:画面が傾いてしまった。 4枚目:反対側にある蒸気の噴出口(らしき場所,立入禁止)。 地図では沼を一周できる遊歩道?があるようだが・・・。

潟沼(大崎市鳴子温泉),11:10-11:11
沼の北西側から撮影。潟沼はどこからも水が流れ込まず,どこへも出ていかない閉鎖系の沼。 しかし,季節によって水位は変化するようだ。 今回は前回(2003.11.2)に比べると若干だが水位が上がっているように思える。 1枚目:撮影地点からレストハウスまで土もりをした部分(堤?)があるが,沼はそこを越えて広がっている。 ただし,堤の左側は浅瀬のため,水位が変化すると水のある面積が変わる。

潟沼の岸辺(大崎市鳴子温泉),11:11-11:12
地面にある狭い溝にそって沼の水が入り込んでいた。その部分が緑色に染まっていた。 ここで採集(潟沼-1)。 2日後,大学で pHを測定したところ,pH 2.5 だった(注1)。
前回もここで採集したが,この緑色は 小型のクラミドモナス(Chlamydomonas, またはChloromonas ?) が大量発生したものだった(注2)。 2枚目:今回は,水の表面にボウフラの脱皮殻が大量に浮いていた。この近くで蚊が増殖しているのだろうか? 採集したサンプルの中には生きたボウフラは見当たらないが・・・。
観察された生物: クラミドモナス(Chlamydomonas, またはChloromonas ?)

注1:他にある資料によると潟沼の酸性度は pH 1.4または pH 1.7などとある。 pH 2.5というのは,多少高めだが,2日の間に酸性度が変化してしまったか,あるいは,今回の潟沼は水が多めだったので, 希釈されて酸性度が弱まっていた(ないしは季節変動?)のかも知れない。
注2:潟沼は酸性度の高い沼として知られている。 サンプルにはこのクラミドモナスがいるだけで他の微生物はまったく観察されなかった。 持ち帰ったサンプルは,細胞を単離(除菌)しないまま,塩酸を添加したHyponexの溶液(pH 2.0)に入れて培養したところ, 非常に良く増えた。 現在も培養を継代培養して維持しているが,除菌処理をしていないにもかかわらず雑菌も増えずに元気に増殖している。

潟沼の岸辺(大崎市鳴子温泉),11:13-11:14
材木の近くでも採集(潟沼-2)。かなり濃い緑色。
観察された生物: クラミドモナス(Chlamydomonas, またはChloromonas ?)

潟沼(大崎市鳴子温泉),11:16
沼側で採集してみた。酸性度が高いためだろうが水は透明。 しかし,底には多少だが藻類らしきものが見えるので採集してみた(潟沼-3)
観察された生物: 珪藻少々, クラミドモナス(Chlamydomonas, またはChloromonas ?), コッコミクサ(Coccomyxa)?, 未同定の糸状藻類, ワムシ,

潟沼(大崎市鳴子温泉),11:17-11:20
1枚目:いったん道路へ戻り, 2,3枚目:レストハウスの先の岸辺へ移動。

潟沼(大崎市鳴子温泉),11:20-11:23
ここも堤を越えて沼の水が広がっていた。 草が生えているところを見ると,この辺は通常はあまり水はない場所なのかも知れない。 2枚目:水の中に藻塊らしきものがあったので, 3枚目:ここで採集(潟沼-4)。 以下のようにモヤモヤした藻塊はミクロスポラだった。この仲間は冷涼な湿原などに多い。過酷な環境に適応した生物のようだ。
観察された生物: クラミドモナス(Chlamydomonas, またはChloromonas ?), ミクロスポラ(Microspora),

潟沼(大崎市鳴子温泉),11:23
同じ場所から沼の東側(1枚目)と西側(2枚目,レストハウスと沼へ降りてきた道が見える)を撮影。

潟沼(大崎市鳴子温泉),11:25
1枚目:前方を右折して古川方面へ降りる。 2枚目:レストハウスの近くにある案内板。

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