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2014.09.03, Part X

田代岳9合目湿原〜五合目

しばらく薮漕ぎをするとふたたび湿原が現れた(大館市),12:27
ただし,手前に向かって傾斜している。

少し右へ折れる(大館市),12:27
2枚目:iPad mini で現在地を確認。 まもなく薄市沢コースへの分岐が現れるはず。

ふたたび笹薮を通る(大館市),12:27
このままだと来年には通るのがきつくなるだろう。

そしてまた湿原が(大館市),12:28
1〜3枚目:湿原に出たところでパノラマ撮影。 2枚目:分岐点に標柱が立っている。

この先は廃道?(大館市),12:28
標柱には右(南西)方向に「三合目」とあるが,右は薄市沢コース,のはず。
なお,ここにある「マンダ岱」がわからない。
上に「五色」とあるので五色滝,ないし,現在の五色湖(岩瀬ダム)方向だと思うが,ネットで検索してもまったく情報がない(注1)。 田代岳の登山道を紹介したwebpagesの中には「大淵岱」という名前も出てくるのだが, これは湿原の名前ではなく,かつてあった集落の名前だそうだ(大館市越山地域の一部,大渕岱とも書くようだ)(注2)。 その「大淵岱(大渕岱)」(岩瀬字大川目元渡,注3)は岩瀬ダムが造られる際に水没して消滅したらしい。
ということは?「マンダ岱」というのも湿原の名前ではなく,かつてあった集落の名前なのかも知れない。 そして方角的にも大淵岱と同じ,岩瀬ダム方向なので,大淵岱と同じ運命を辿った集落なのかも。

注1:「あきた(通巻170号)1976年(昭和51年)7月1日発行」というタイトルのwebpageに 「田代岳県立自然公園」と題して,田代岳に登る4つの登山コースが紹介されている。 その中に「(3)マンダ平=途中から五色の滝口と交わる」と書かれている。 おそらくこれがこの標柱に廃道と記してあるルートなのだろう。 しかし,ここから五色滝までは国土地理院の地図にもルートが描かれているが,五色滝から先は車道になっていて, 登山道はそこで途切れた形になっている。 ここでの「五色の滝口」はコース名を表わしているが,「五色の滝口と交わる」の部分の意味がよくわからない。
注2:湿原(岱)は,平坦な場所が多い。そこに集落ができ,そのまま集落の名前になったのだろう。
注3:大川目川は岩瀬川の上流部の名称で荒沢登山口・ロケット燃焼実験場の先から流れてくるようだ。

この後,「マンダ岱,廃道」と書かれた方向へ進んだ。 とくに週回路とは書かれていないが,事前に調べたところでは廃道の方向へ進む途中に左への分岐があり, そこへ入ると,途中に木道のない場所もあるが,湿原を周回できるようになっているらしい。 しかし,まもなく12:30。残り時間は2時間半だ。 それまでに荒沢登山口近くの駐車場まで戻らなければならない(午後3時に復路のタクシーに乗車する約束をしている)。
現在は湿原をちょうど半周したところだが,湿原に入ったのが12:00ちょうどなので,すでに30分が経過している。 登山道を降りるのに2時間かかるとすると(下りなので実際はもう少し短いはずだが), ここ(湿原)であと30分を費やしてしまうと,登山口へ降りる頃には午後3時を過ぎてしまう恐れがある。 あと半周とはいえ,この先には木道のない場所もあるらしいので,30分で回り終えるとはかぎらない。 ということで,これ以上先へ進むのを止めて,元来た道をひきかえすことにした。 この方がより確実だし,早く戻れるからだ。

ということで,Uターンしたところでパノラマ撮影(大館市),12:29

田代岳9合目湿原(大館市),12:31
木道をやや小走りに歩く。 木道脇で ゴゼンタチバナChamaepericlymenum canadense,ミズキ科 ゴゼンタチバナ属) が赤い実をつけていた。

田代岳を眺めつつ歩く(大館市),12:32

田代岳への分岐を右折(大館市),12:33

田代岳9合目湿原(大館市),12:36
1〜3枚目:前方に週回路の合流点が見えた。 あの先が湿原の出口だが,右(2,3枚目)にもいくつかの池塘がある。 せっかくなので,少しだけ右(東南東)にも入ってみることにした。 

田代岳9合目湿原(大館市),12:37
東南東へ進むとすぐ近くに池塘があった。
前方からはたくさんのモリアオガエルの鳴き声がしていた。 もう少し先まで行ってみたかったが,時間がないの諦めた。

田代岳9合目湿原(大館市),12:37
池塘の前でパノラマ撮影。ここなら採集できる。

田代岳9合目湿原(大館市),12:37
ということで,ここで 採集(田代岳9合目湿原-07)
観察された生物: ディフルギア( Difflugia oblonga), 珪藻各種, アステロコッカス(Asterococcus sp.), ボツリオコッカス(Botryococcus sudetica), コウガイチリモ( Pleurotaenium minutum = Haplotaenium minutum), ミカヅキモ( Closterium abruptumC. pronum), ホシガタモ( Staurastrum aviculaS. connatum v. rectangulumS. hystrixS. wandae), ハタヒモ( Netrium digitusN. oblongumN. pseudoactinotaenium), Bambusina brebissonii, カワモヅク(Batrachospermum), クロオコッカス(Chroococcus turgidus), シネココッカス(Synechococcus),

元へ戻って右折,湿原を出る(大館市),12:38

登山道を降りる(大館市),12:41

七合目を通過(大館市),12:56
2枚目:iPad mini で現在地を確認。 3枚目:往路,七合目でチェックしたGPSの現在地(11:33撮影)。 数mの誤差はあるようだが,ほぼ一致している。

六合目を通過(大館市),13:12-13:13
往路では見逃したが,六合目にも看板があった。 3枚目:iPad mini で現在地を確認。 七合目とは標高差で 75m ほどあるようだ。

五合目が見えてきた(大館市),13:24

五合目を通過(大館市),13:25-13:26
2枚目:iPad mini で現在地を確認。 3枚目:往路でチェックした五合目の現在地(11:07撮影)。 GPSはほぼ同じ。あいかわらず正確に記録している(注)。

注:せっかくよい記録がとれたのに,この後,ガタガタゆれるタクシーの中でボタン操作を誤り,このGPSの記録を失ってしまった。 タクシーに乗車してから,新しくGPSの記録を作成しようとして,登山口までの記録を保存しようとしたのだが, 荒れた道だったので,身体がゆれて指がうまく保存ボタンを押せなかった。何度かやり直そうとしているうち,過って保存せずに次の記録が始まってしまったのだった。

五合目と四合目の中間付近(大館市),13:31, 13:35
1枚目:登山道脇の地面を撮影。落ち葉で被われているが,落ち葉は互いにべったりと張り付いている。 それらをかきわけると,すぐに黒土が現れた。ここでも同僚から頼まれたサンプル採集を行った。 2枚目:iPad mini で現在地を確認。

Part XI: 四合目〜大広手コースを下る
2014.09.03, 13:38 - 14:02