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2012.08.22, Part XV

月山旧参道沿いに点在する湿原

月山旧参道を上がる(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:35
薮はますます激しくなった。足下はあいかわらず岩場だが, 周囲から生えてきた草で覆われているのでどこに足を置いていいかわからない。足の置場を探しつつ進む。

月山旧参道を上がる(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:36
1,2枚目:パノラマ撮影。どういう訳か左側だけ見晴しが良くなった。

月山旧参道を上がる(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:36
1〜3枚目:左(東)〜前〜右をパノラマ撮影。 1枚目:この辺は参道の路面と湿原との段差は50 cm以上ある。 湿原に上がってみることにした。 2枚目:こちらが旧参道。こうしてみると,どこに道があるかわからなくなるほどだ。 両側から生える木々は潅木というよりは,普通の樹木になりつつある。 3枚目:右側に生えている木々は,幹・枝ともかなり太い。 地図を見ると,この先(西側)にやや大きな池塘があるはずだが,,。これらをかき分けて近付くのはとても無理だ。

湿原に上がるとすぐ近くに小さな池塘があった(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:37-11:38
1枚目:あそこは地図には描かれていない。 2枚目:右側の池塘には近付けそうにないので,とりあえずここで採集することにした。 3枚目:ここで 採集(月山旧参道沿いの湿原-1)。 原生生物はわずか。
観察された生物: 小型鞭毛虫数種, 珪藻各種, クロオコッカス(Chroococcus turgidus), イタチムシ, クマムシ, (糞が多い)
さてここで持参したサンプリングチューブはすべて使いきってしまった。 この分だと,旧参道の右手にある池塘には近付けそうにないので,これで今回は終わりかと思った,のだが,,。
また,ここで引き返そうかとも思ったが,さきほど上がってきた車道沿いの入口は, 結構傾斜が急で,かつ滑りやすい岩場だった。下りはより危険だ。Uターンするのを躊躇した。 とりあえずこのまま進んで,この先にあるはずの池塘が3つ並んでいる湿原の近くまで行ってみることにした。

月山旧参道を上がる(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:41
1〜3枚目:参道の右手をパノラマ撮影。 ほどなくして,今度は右にやや開けた場所が現れた。 4枚目:GPSで現在地を確認。 池塘が3つ並んでいる場所はまだ先だが,とりあえず右へ進んでみることにした。

行き止まりだった(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:42
少し進むと周囲は潅木で遮られていた。引きかえした。

月山旧参道を南南東へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:42
1枚目:参道のまん中にコバギボウシHosta sieboldii)の花と,手前はニッコウキスゲ(ゼンテイカ,Hemerocallis middendorffii var. esculenta)の実?があった。 2枚目:コバギボウシの根元にカメラを向けて葉の大きさ・形を確認。

月山旧参道を南南東へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:44
これはツリガネニンジンAdenophora triphylla var. japonica)?

月山旧参道を南南東へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:44
GPSで現在地を確認。もう少しで右に池塘が3つ並ぶ場所があるはずだが・・・。

月山旧参道を南南東へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:44-11:45
1,2枚目:パノラマ撮影。ふたたび左手に湿原が現れた。池塘らしきものは見えないので,このまま進む。

月山旧参道を南へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:45
1,2枚目:パノラマ撮影。湿原はかなり広そうだ。このままいくと潅木地帯に入ってしまうので, この辺で左の湿原に上がってみることにした。

月山旧参道を南南東へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:46
この辺は参道の路面と湿原の段差は 1 m 以上ある。やや苦労して湿原に上がった。
既述したが,大昔はこの辺は一帯が湿原で,そこを歩いて月山へ向かったのだろう。 大勢の人が歩くことで踏跡ができ,やがて泥炭層が流出して,参道は深く深く抉れて月山の岩肌が露出。 湿原の縁は乾燥して,そこに潅木や笹薮が発達。現在のような姿になったと思われる。

月山旧参道を南南東へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:46
1〜3枚目:湿原の縁に上がって周囲をパノラマ撮影。どこにも池塘は見当たらない。 旧参道へ降りることにした。

月山旧参道を南南東〜南へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:47
車道からこの旧参道に入って26分ほど経過した。 GPSで現在地を確認すると,この右側に池塘が3つ並ぶ場所があるはずだ。

月山旧参道沿いの湿原へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:48
と思って右を見ると,さきほどまでと違って,この辺だけ旧参道沿いの潅木の背が低いことに気付いた。 潅木は私の腰くらいの高さしかない。 どうも怪しいので潅木の間に上がってみることにした。

月山旧参道沿いの湿原へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:48
潅木の間に立って,西方をパノラマ撮影。 ここからは池塘らしきものは見えない。 が,もしかしたらと思い,少し進んで(そこもまだ薮だったが)みた。

月山旧参道沿いの湿原へ(鶴岡市羽黒町/庄内町),11:49-11:50
1,2枚目:潅木地帯を少し進んで再度パノラマ撮影。見えた! 2枚目:右前方にわずかだが池塘らしき窪地があった。 3枚目:GPSで現在地を確認。ここを西へ進めば,池塘が3つ並んだ場所へ到達できるはずだ。

月山旧参道沿いの湿原(鶴岡市羽黒町),11:50
湿原だと足下が心配だったが,傾斜した場所のせいか,足下はかなりしっかりしていた(乾燥していた)。 周囲に生えているのも湿原に多い細い背の低い草ではなく,背が高いゴワゴワした感じの草が大半だった。 湿原というよりは草原というべきかも知れない。
最初の池塘が迫る。

月山旧参道沿いの湿原(鶴岡市羽黒町),11:51
1,2枚目:パノラマ撮影。 なるべく潅木が生えた場所に沿って斜面を下ってきた。 足下に気をつけながら,慎重に池塘に近付いた。この辺も地面はしっかりしている。 ぬかるんでいる場所は無かった。

月山旧参道沿いの湿原(鶴岡市羽黒町),11:51-11:52
1枚目:既述したように,今回はすでに持参したサンプリングチューブをすべて使い切ってしまった。 しかし,ここで採集しない訳にはいかないので,やむなくすでに採集したサンプルのうち, これまでに何度も採集している弥陀ケ原のサンプルの中身を捨てて,チューブを再利用することにした。
ということでこのチューブの中身を捨てたのだが,,(注)。 この時は,これが弥陀ケ原のサンプルだと思い込んでいたが,よくよく採集時間を見ると,09:41。 この時間は,御浜池へ向かう遊歩道沿いで採集していた。よってこれは弥陀ケ原のサンプルではない。 残念。(といってもこの誤りに気付いたのは,翌日になってからだ)
2枚目:この池塘は結構水深がある。水底にコマゴメピペットを付けると,その膨らんだ部分まで潜った。 水深は20 cm前後あることがわかる。 3枚目:水底にあった水垢を 採集(月山旧参道沿いの湿原-2)。 ここも原生生物は少なめ。
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas sp.), ディフルギア( Difflugia oblonga), ツリガネムシ(Vorticella), ミクロスポラ(Microspora), ツヅミモ( Cosmarium cucurbita?), クロオコッカス(Chroococcus turgidus), シネココッカス(Synechococcus),

注:ここの池塘の原生生物叢に影響を与えてはいけないので,中身はなるべく池塘から離れた場所に捨てた。

月山旧参道沿いの湿原(鶴岡市羽黒町),11:53
この先にも池塘があるので,あと2本だけ弥陀ケ原で採集したサンプルを(池塘から離れた位置に)捨てた。 どちらも10時台なのでこれらは弥陀ケ原で採集したものだ。

Part XVI: 月山旧参道沿いに点在する湿原〜弥陀ヶ原〜月山八合目駐車場へ
2012.08.22, 11:54 - 12:19