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2006.11.05, Part II

食虫植物群落前の水田

成東・東金食虫植物群落へ(山武市),11:34-11:35
食虫植物群落へ行く前に道路脇の水田で採集を試みた。 前回(2003.09.28)来た時もこの辺(注1)で採集したのだが,ここで採集したサンプルからはたくさんの種類の原生生物が観察できた。 種類が多いだけでなく,それまで他では見たことのない珍しい種類もあった。 中でもプシロトリカ(Psilotricha succisa) はここで始めて観察したもので,それ以前も以後も,他では観察したことは一度もない(注2)。 果たして今回はどうだろうか?

注1:当時,この辺は稲刈り後で黄色く枯れた稲藁があちこちに散らばっていた。 今回は,稲刈りからだいぶ時間がたっていたためか,稲株から新しい芽が伸びて,水田は青々としていた。
注2:後でわかるが,今回の採集サンプルの中では,この水田の水たまりが一番,原生生物の種類が多かった。 水田は,一般にはそれほど原生生物の種類が多い訳ではない。実際,この後,採集した他の水田のサンプルには 原生生物はそれほどいない。 前回もそうだったが,この辺の原生生物がとくに多いのは,近くに天然記念物の成東・東金食虫植物群落があるためではないかと 思われる。食虫植物を守るため,おそらく農薬等の使用が控えられているはずで,その影響ではないかと推察している。
なお,後でわかるが食虫植物群落には池塘などは見当たらない。 また,前回同様,群落内はかなり乾いているので採集はできなかった。

成東・東金食虫植物群落へ(山武市),11:35-11:36
水田に近付いたところ,その周辺にいくつかの花が咲いていた。 その中にホトケノザLamium amplexicaule)があった。 これは春先(2〜3月)に咲く花のはずだが・・・。 今年の秋は暖かいので勘違いして咲いてしまったのだろうか?(注)

注:「ホトケノザ 秋」で検索すると,結構な数の web pagesがヒットする。秋に咲くのはそれほど珍しいことではなさそうだ。

成東・東金食虫植物群落へ(山武市),11:36
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成東・東金食虫植物群落へ(山武市),11:37
ジシバリIxeris stolonifera)?も咲いていた。

成東・東金食虫植物群落へ(山武市),11:39
とりあえず採集(食虫植物群落手前の水田-1a)
観察された生物: ミドリムシ(Euglena desesE. spirogyra), ウチワヒゲムシ(Phacus sp.), レポキンクリス(Lepocinclis salina), トラケロモナス(Trachelomonas volvocinaTrachelomonas sp.), ペラネマ(Peranema), アニソネマ(Anisonema), 小型鞭毛虫各種, アカントキスチス(Acanthocystis turfacea), 太陽虫の一種, プラギオフリス(Plagiophrys), コレプス(Coleps), 小型繊毛虫数種, シヌラ(Synura), マルロモナス(Mallomonas), トリボネマ2種(Tribonema), フシナシミドロ(Vaucheria), 珪藻各種, グロエオモナス(Gloeomonas), イカダモ(Scenedesmus sp.), アオミドロ(Spirogyra), ホシミドロ(Zygnema), コウガイチリモ(Pleurotaenium sp.) ミカヅキモ( C. acerosumC. ehrenbergiiC. macilentum, or C. praelongumC. moniliferumClosterium sp.), ツヅミモ( Cosmarium formosulum), ケンミジンコ,

成東・東金食虫植物群落へ(山武市),11:39-11:40
タネツケバナCardamine)の仲間?。 タネツケバナ(Cardamine flexuosa)も春先によく見かけた花だが,,。これは種が違うのだろうか?

成東・東金食虫植物群落へ(山武市),11:40-11:41
最近よく見かけるイヌタデPolygonum longisetum)。 2,3枚目:撮影していたら,目の前にコバネイナゴOxya yezoensis)が飛んで来た。 イナゴを撮影したのは始めて。


成東・東金食虫植物群落へ(山武市),11:41-11:42
少し進んだ先にも水たまりのある水田があったので, ここでも採集(食虫植物群落手前の水田-1b)
観察された生物: スポンゴモナス(Spongomonas), ナベカムリ(Arcella), ディフルギア( Difflugia sp.), トラケロフィルム(Trachelophyllum) 小型繊毛虫数種, トリボネマ(Tribonema), 珪藻各種, エレモスフェラ(Eremosphaera viridis), ヒザオリ(Mougeotia), アオミドロ(Spirogyra), ホシミドロ(Zygnema), コウガイチリモ( P. ehrenbergii), ホシガタモ( Staurastrum punctulatum), イボマタモ( Euastrum verrucosum), チリモ(Desmidium swartzii), ケズネモ(Gonatozygon), ユレモ(Oscillatoria), アナベナ(Anabaena), ケンミジンコ, ソコミジンコ, ワムシ, センチュウ,

成東・東金食虫植物群落へ(山武市),11:42-11:43
刈り残しのコメ(イネ,Oryza sativa)。

コメ イネ Oryza sativa コメ イネ Oryza sativa コメ イネ Oryza sativa

成東・東金食虫植物群落へ(山武市),11:43
ムラサキサギゴケMazus miquelii)かと思ったが,近縁の トキワハゼMazus pumilus)のようだ。 これも春(4〜6月)に何度も見かけた花だ。

トキワハゼ Mazus pumilus トキワハゼ Mazus pumilus

Part III: 成東・東金食虫植物群落(1)
2006.11.05, 11:44 - 11:56