原生生物を採集する際に使用する道具にとしては特別なものはない。通常は,コマゴメピペットなど大きめのピペットと,採集した池や沼の水(と泥)を入れる小型の容器(10 ml程度)と記録用の筆記用具があれば十分である。ただし,容器はしっかりしたフタがついて多少ゆすっても水もれのしないものがよい。また,夏など気温が高い時期は,サンプルを直射日光のあたる場所に放置しないなど,採集したサンプルがあたたまりすぎないような配慮も必要である。
下水溝や池沼,あるいは湿地などで採集をする際,池の岸辺がぬかるんでいて採集ポイントまでの足場がなかったり,池の岸辺と水面との間に段差がありすぎてピペットを水面下まで下ろせなかったりして,採集を断念せざるをえない時がある。このような場合にそなえて,棒の先に採集用のコップを取り付けたものを用意したり,紐のついた容器を準備しておくのもよいだろう。ただし,あまり持参する道具が多いと行動の自由がさまたげられる恐れもある。
いわゆるプランクトンネットを使って原生生物を濃縮した上でサンプルを採集する方法もある。ただし,この場合は,ネットを通り抜けてしまうものもいるし,かなり荒っぽい作業になるため,原生生物の種類によっては集める過程で細胞が壊れてしまう危険性もある。
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