平成10年度知的基盤整備推進制度
「生物系研究資材のデータベース化及びネットワークシステム構築のための基盤的研究開発」
2-1. 生物資材情報発信のためのWWWサーバ構築サポートシステムに関する研究

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2.成果の概要

2-2. 海産繊毛虫画像データベースと分類同定システムの構築

 イタリア・ナポリ臨海実験所にて,海産浮遊性繊毛虫の画像撮影法について研究を行った。また,その結果得られた画像を対象とした分類同定システムの構築を開始した。これまでに行なった内容は以下のとおりである。

1. 海産浮遊性繊毛虫は非常に遊泳力が強く,かつ細胞崩壊を起こしやすい。そのため,公開された生体画像は極めて希である。本研究では,イタリア・ナポリ湾で採集した繊毛虫類を用いて生体画像撮影の条件設定を行った。

2. 固定標本を用いて異なる焦点で撮影した高解像度画像をWeb上で表示する方法について研究した。現時点で, a)ボタンを利用して表示画像の焦点位置を変える方法。 b)焦点位置の異なる複数画像をアニメーション化(GIF Animation)して表示する方法。 c)デジタル画像合成により焦点深度の深い画像を作成表示する方法。以上3通りの手法を適用した。

3. 分類同定システムとして,既に出版されている論文中より同定に必要な形質(分類キー)を抽出しリスト化する作業を開始した。参考文献中の分類キーと成る画像データはイメージスキャナーにより取りこみ,画像単位で細分化した。また,画像の説明文は各画像に対応したテキストデータとして入力した。画像を伴わない基本的形質(大きさ,生息地,その他の特徴)についても参考文献中より抽出しリスト化した。

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