1998年度 川渡合同セミナー:種とは何か?  by 法政大学第一教養部 月井雄二

図5 類概念の形成と崩壊




一般に,最初に採集された個体が種の基準 標本となり,周囲にいる似た個体が同一種としてまとめられる(I〜II)。

















 しかし,同一種に含まれる個体の変異幅が大きくなると,次第に他種と近接するよ うになる。すなわち,中間的形質をもった個体も発見されるようになる(III)。

 その場合でも,有性生殖をする種であれば,中間型の個体はどちらの種と交配する かによっていずれかの種に配属されるため,種の境界はなくならない(III)。



 ところが,有性生殖をせず,無性的に増殖する生物では,中間的形質をもった個体 の発見によって次第に種の境界がみえなくなってしまう(III〜IV)。



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