敦賀市 |
池河内湿原 |
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採集日:2006.09.24 | ウオッちず | で位置確認 |
池河内湿原に到着,08:32
同じ位置から前方(1枚目),横(2枚目),後方(3枚目)を撮影。
1枚目:前方を走っているのが乗車してきたタクシー。前方に駐車している車があるが,そこに駐車場と公衆トイレ,
湿原の案内板等がある。タクシーはここでUターンして元来た道(つるが美林街道)を戻っていった。
2枚目:湿原の入口。ここは湿原の東端にある入口。湿原の西端にも入口がある。
3枚目:元来た道。左(南)側に湿原が広がっている。
池河内湿原:道路を横切る水路(笙川),08:32
上と同じ位置から湿原内を通る水路(笙川)を撮影(注1)。
1枚目:こちらは湿原の外(北側)。道路の下を通って東へ流れている。
2枚目:反対(南)側。水路の両脇に湿原が広がる(注2)。
3枚目:手前にある入口を示す道標。
注1:既述したが,前回(2004.9.11)はタクシーの運転手が湿原の入口を知らなかった。
その上,たまたまこの近くでかなり大掛かりな道路工事が行なわれていたこともあって,位置を見失い
現在の入口よりもかなり先まで行ってしまった。
池河内の集落近くまで行ったと思うが,そこでタクシーを降りて,自力で入口を探した。
西(元来た方向)へ向って道路を歩くと途中に水路があり,その脇に壊れかけた木道があったが,傾いてかなり危険な状態だった
(実際,立入禁止の看板があったと思う)。そのため,そこを歩くことはできず,結局,そこが湿原入口かどうかもわからないまま,
舗装道路を歩くしかなかった。幸い,戻る途中,道路脇の溝に水がたまっていたので採集したところ,結構な数の原生生物が観察できた。
注2:この2枚目の画像は,
このWeb pageにある「2001年3月に撮影したもの」という画像と同じ位置から撮影したと思うが
(水路の曲り具合と木道の配置が同じ),
もしそうだとすると,わずか5年の間に,入口近くの水路(笙川)の両脇にあった水田跡に5m前後の樹木が
育ったことになる。ハンノキというのは成長速度が早いらしい。
とすれば,ここはまもなく「湿原」ではなくハンノキ林に変わってしまうのかも。
池河内湿原:木道脇に咲いていたミゾソバ(Polygonum thunbergii),08:33
池河内湿原:木道脇の水路で採集,08:34
まずはこの水辺で採集(池河内湿原-1)。
トリボネマとミカヅキモがいるのが湿原らしい。この時期にシヌラがいるのはやや珍しい。
池河内湿原は元は耕作地帯で耕作が放棄された結果,湿原に遷り変わりつつある場所。
昨日訪ねた新見のおもつぼ湿原や鯉が窪湿原同様(こちらは人造の溜池の周辺に発達した湿地),湿原としての歴史は浅い。
そのため,高地にある池塘をもつ湿原とは比較にならないが,時間の経過とともにやがては本物の湿原になっていくものと思われる。
観察された生物:
Gymnodinium,
クリプトモナス2〜3種(Cryptomonas),
ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys sp.),
ナベカムリ(Arcella gibbosa),
コレプス(Coleps),
スティコトリカ(Stichotricha),
ロクソフィルム(Loxophyllum sp.),
ロクソケファルス(Loxocephalus),
シヌラ(Synura),
トリボネマ(Tribonema),
珪藻数種,
ミカヅキモ(
C. dianae,
C. moniliferum),
ワムシ,
池河内湿原:水路から離れて林内を通る,08:36-08:38
しばらく行くと木道は水路から離れて林の中に入る。
2,3枚目:木道脇が湿地になっていたので,
ここで採集(池河内湿原-2a, -2b)。
どういう訳か緑藻類がまったく観察されない。
4枚目:木道から北側を撮影。前方に見える白い部分は舗装道路?
観察された生物:
クリプトモナス2種(Cryptomonas),
ミドリムシ(Euglena schmitzii),
ナベカムリ(Arcella),
トゲフセツボカムリ(Centropyxis),
ディフルギア(
Difflugia sp.),
ユーグリファ(Euglypha sp.),
ユープロテス(Euplotes),
コレプス(Coleps),
ハネケイソウ(Pinnularia),
他の珪藻各種,
ユレモ(Oscillatoria princeps),
ワムシ,
池河内湿原:水路から離れて林内を通る,08:38-08:40
3枚目:ここでも採集(池河内湿原-3)。
ここも同様。腐食性の環境を好む鞭毛虫,繊毛虫,肉質虫ばかり。緑藻類がいない。
観察された生物:
キロモナス(Chilomonas),
ミドリムシ(E. mutabilis,
Euglena spirogyra),
ウチワヒゲムシ(Phacus pyrum),
トラケロモナス(Trachelomonas volvocina),
アスタシア(Astasia),
ナベカムリ(Arcella),
ウロセントルム(Urocentrum),
コレプス(Coleps),
池河内湿原:徐々に湿原らしくなる,08:41-08:42
1枚目:しばらく行くと左に分岐する木道がある。
2枚目:しかし,これはすぐに行き止まりとなっている。案内板には描かれていないが,
ネット上にある資料には,この先に「阿原ケ池」という池沼がある(あった?)らしい。
しかし,現在は草が生い茂っているばかり。
池河内湿原:木道の上に動物の糞が(クマ?),08:42-08:43
元に戻って先へ進む。
3枚目:木道の真ん中に何かの動物の糞があった。鹿や猪の糞は丸みを帯びているらしいので,鹿や猪のものではなさそうだ。
だとすると熊?よく見るとまだかなり新しい。早朝この付近を歩いて落としていったのだろうか?
じつはこの後,しばらく行った先にも同じ糞があったのだが,熊はこのように目立つところに糞をする習性があるのかも知れない(注)。
途切れ途切れに糞をするというのは,たんなる排泄行為ではなくマーキング(?)の意味もあるのだろう。
注:今年6月に斑尾高原(妙高市)にある湿原を訪れた際にも,
遊歩道の途中,しかも小さな沢を横断するためのわずか50 cmたらずの木の橋の上に似たような糞があるのを目撃した。
暗い土色の遊歩道上ではなく,明るく目立つ木製の橋の上にわざわざ糞をするというのは,あきらかに偶然ではなく,
意図的に行なったものと思われた。
池河内湿原:樫曲方面にある出口へ向かう,08:43-08:44
ノリウツギ(Hydrangea paniculata)
Part II: | 池河内湿原(2) 2006.09.24, 08:44-08:56 |