信濃町 戸隠高原
種 池
ここで採集されたサンプルの観察結果を Google で検索 お知らせ

採集日:2006.05.21 ウオッちず で位置確認

古池登山口から種池へ(信濃町),10:16-10:18
1枚目:道の途中で右手に種池が見えた。 2枚目:しばらくするとこのようなT字路が。 3,4枚目:ここを右折すると前方突き当たりに種池がある。

種池に到着(いつもガイドで位置確認,信濃町),10:18-10:19
1枚目:登山口から約10分ほどで種池へ到着。 前回ここへ来た時(1995.6.12)は,周囲の樹木には葉が生い茂り,草茫茫の状態で前がよく見えなかったが, 今回はまだ樹木は芽吹いていないものも多いので見通しが良く,かなり離れた位置からも池を望むことができた。
3,4枚目:前回は池端も草で被われていたが,今回は草はほとんど生えておらず,池底に落ち葉が見えるくらいで水は澄んでいた。 前回の採集では,この種池のサンプルにたくさんの原生生物がいた。今回はどうだろうか。 まずは,ここで採集(種池 No. 1)
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas), キロモナス(Chilomonas), スファエラストルム(Sphaerastrum), サッカメーバ(Saccamoeba), マヨレラ(Mayorella), コクリオポディウム(Cochliopodium), ナベカムリ(Arcella), ユーグリファ(Euglypha filifera), トリネマ(Trinema), アスピディスカ(Aspidisca), ウロスティラ(Urostyla), コレプス(Coleps), リトノタス?(Litonotus), フロントニア(Frontonia acuminata), レンバディオン(Lembadion), ゾウリムシ(Paramecium caudatum) キネトキルム(Cinetochilum), ツリガネムシ(Vorticella) 小型繊毛虫数種, シヌラ(Synura), スプメラ(Spumella), サヤツナギ(Dinobryon), マルロモナス(Mallomonas), Vacuolaria, トリボネマ2種(Tribonema), クチビルケイソウ(Cymbella), ハネケイソウ(Pinnularia), 珪藻各種, ヒザオリ(Mougeotia), ミカヅキモ(C. navicula), 接合藻の接合子?, ケンミジンコ, イタチムシ,

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種池(信濃町),10:19-10:24
今回は念入りに採集をしようと考えて,池の西縁を歩いて何ケ所かで採集することにした。 次はここで採集(種池 No. 2)
観察された生物: ナベカムリ(Arcella), ディセマトストマ(Disematostoma), レンバディオン(Lembadion), 他の小型繊毛虫数種, シヌラ(Synura), クリプトモナス(Cryptomonas), ミドリムシ(Euglena), トラケロモナス(Trachelomonas), アカントキスチス(Acanthocystis turfacea), スファエラストルム(Sphaerastrum), ナベカムリ3種(Arcella), ディフルギア(Difflugia), ユーグリファ(Euglypha filifera), トリネマ2種(Trinema), ディレプタス(Dileptus), コレプス(Coleps), トラケロフィルム(Trachelophyllum) アスピディスカ(Aspidisca), 巨大レンバディオン(Lembadion sp.), 他の棘毛類繊毛虫, サヤツナギ(Dinobryon), トリボネマ2種(Tribonema), タルケイソウ(Melosira), 他の珪藻各種, クラミドモナス(またはクロロモナス,青木湖隣の休耕田にいたものと同じ種類), ラジオフィルム(Raadiofilum,初めての観察), タテブエモ(Penium sp.,長い,太い), ユレモ(Oscillatoria), ワムシ, クマムシ, ケンミジンコ, コケムシ(卵),

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種池(信濃町),10:25-10:26
ここでも採集(種池 No. 3)
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas), アカントキスチス(Acanthocystis sp., 棘の先端は二又分岐せず), ナベカムリ(Arcella), ディフルギア(Difflugia), クリプトモナス(Cryptomonas), ユーグリファ(Euglypha), ラッパムシ(Stentor), ロクソフィルム(L. meleagris), ウロトリカ(Urotricha), ウロレプタス(Uroleptus), スチロニキア(Stylonychia), 棘毛類繊毛虫, 巨大レンバディオン(Lembadion sp.), フロントニア(Frontonia acuminata), キネトキルム(Cinetochilum), ツリガネムシ(Vorticella)とそれに寄生する何か, 小型繊毛虫数種, スプメラ(Spumella), シヌラ(Synura), ヌサガタケイソウ(Tabellaria), クサビケイソウ(Gomphonema), 他の珪藻各種, 接合藻の接合子?, アナベナ(Anabaena), ワムシ, イタチムシ, ミジンコ,

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種池(信濃町),10:26-10:28
ここで採集(種池 No. 4)
観察された生物: ミドリムシ(Euglena), クリプトモナス(Cryptomonas), トラケロモナス(Trachelomonas), ユーグリファ(Euglypha), トリネマ(Trinema), アスピディスカ(Aspidisca), コレプス(Coleps), ウロトリカ(Urotricha), ウロレプタス(Uroleptus), レンバディオン(Lembadion), ヒスチオバランティウム(Histiobalantium), ツリガネムシ(Vorticella) モナス(Monas guttula), サヤツナギ(Dinobryon), オフィオキチウム(Ophiocytium parvulum), トリボネマ(Tribonema), Vacuolaria, タルケイソウ(Melosira), ヌサガタケイソウ(Tabellaria), Navicula sp.), 他の珪藻各種, クラミドモナス(Chlamydomonas), ミカヅキモ(C. navicula), ツヅミモ(Cosmarium sp.), 接合藻の接合子?, イタチムシ, ラッパムシ(Stentor), ワムシ(Sinantherina sp.),

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種池(信濃町),10:28-10:29
最後はここで採集(種池 No. 5)
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas), 小型鞭毛虫各種, ユーグリファ(Euglypha), トリネマ(Trinema), コレプス(Coleps), レンバディオン(Lembadion), 小型繊毛虫各種, シヌラ(Synura), Vacuolaria, トリボネマ(Tribonema),
タルケイソウ(Melosira),
ご覧のように,この辺からの眺めが良い。そのため,池端には三脚にカメラを固定して熱心に池と前方の黒姫山を撮影している人が二人いた。

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種池(信濃町),10:32
採集を終えて池を出る途中で池端にタチツボスミレViola grypoceras A.Gray)が咲いていた。

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種池から古池湿原へ(信濃町),10:33-10:34
1,2枚目:雪の影響? 3枚目:さきほどのT字路へ出た。今度はここを右折して古池&古池湿原へ向う。

前回同様,種池は原生生物が非常に豊富だった(ただし,ほとんどは腐食性のものだが)。 これは,見るかぎりでは,池に出入りする水の流れがない(おそらく湧水のみ?)か非常に少ないため,水流で流し出される ことがないことが一番の理由だろう。勿論,冷涼な環境であることや,人間の影響が極力抑えられてきた(注)ことも影響しているだろう。 いずれにしても,原生生物の宝庫で貴重な場所であることは確か。
注:色々調べると,この種池は周辺住民からは神聖な場所として長年扱われてきた,ようだ (参照URL)。 そのため,人為が及ぶことがなかったのが幸いしたともいえる。

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