東成瀬村(栗駒山) |
須川湿原
泥炭地,シラタマノキ湿原 |
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須川湖(人工湖?)の南にあるやや小さな湿原(標高 約1080m)。
もとは泥炭の採掘場だったところで,今でも採掘跡が生々しい。
湿原を横切って沢が流れていて,草地も絶えず水を被っているため,原生生物は少ない。
観察された原生生物名一覧(現在 1 種) |
採集日:2007.06.24 | ウオッちず | で位置確認 |
須川湿原(泥炭地)入口(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:16-10:17
1枚目:前方に小さな駐車場が見えてきた。この先に須川湿原(泥炭地)の入口がある。
2,3枚目:ここがその入口。
4枚目:入口から先は敷石の周囲をコンクリートで固めた道となっている。
敷石がゴツゴツして歩きにくい。
よく見ると,入口の脇に「シラタマノキ湿原入口」と書いた標柱が立っている。
前回(2005.7.24)来た時は,あったかなかったか,,記憶にないので不明。
ガイドブックには,須川湿原(泥炭地,ツンドラ帯)と書いてあるので須川湿原としてきたが,
今後は「シラタマノキ湿原」と呼ぶべきなのかも知れない。
須川湿原(泥炭地)へ(東成瀬村須川),10:18-10:19
途中の道端に咲いていた
ミヤマツボスミレ(Viola verecunda var. fibrillosa)
もしくはツボスミレ(Viola verecunda)?
須川湿原(泥炭地)へ(東成瀬村須川),10:21-10:22
1枚目:しばらくコンクリートの道を歩くと,,,
2枚目:前方の視界が開けて,山とその手前に案内板が見えてくる。
須川湿原(泥炭地)へ(東成瀬村須川),10:22
1枚目:道の様子からするとこのまま前方へ進む方が本道のように見えるが,その先は行き止まり。
湿原へ行くには,ここで左に折れる。
2枚目:その近く立っている案内板。
「栗駒山・栃ケ森山周辺,森林生態系保護地域」「設定 平成6年3月」「東北森林管理局」とある。
須川湿原(泥炭地)へ(東成瀬村須川),10:22
案内板の近くにも
ミヤマツボスミレ(Viola verecunda var. fibrillosa)
もしくはツボスミレ(Viola verecunda)?
が。
須川湿原(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:23
コンクリートの歩道の先には小さな沼というか,やや大きな水たまりがある。
ここは東の山裾から流れてくる沢が大きく広がった場所。
ここの湿原はその水路の近くにある泥炭地にある。かつては泥炭の採掘場だったらしく,
この先にはその採掘跡が残っている。
須川湿原(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:23
沼というか大きな水たまりを右に見ながら未舗装の山道を東へ進む。
須川湿原の木道へ(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:24
1枚目:前方に階段状になって水が流れる場所が見えてきた。この周辺に広がる湿地というか,
狭い湿原が須川湿原(ないしはシラタマノキ湿原)。
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:24-10:26
まずは木道の脇で採集(須川湿原-1)。
糸状藻類が見えるが,アオミドロかと思ったらそうではなかった。
翌日の観察で
クレブソルミディウム(Klebsormidium),
であることが判明。
Klebsormidiumがこのような大きな藻塊を作っているのを見たのは始めて。
ヒビミドロ(Ulothrix)
の可能性もあるが,細胞の細さと葉緑体の形等からKlebsormidiumと判定したのだが・・・。
流れがあるため,珪藻とクレブソルミディウム以外の原生生物は何も見つからない。
観察された生物:
珪藻少々,
クレブソルミディウム(Klebsormidium),
ソコミジンコ,
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:26-10:27
木道を進むと,水路から少し離れた場所に池塘風にも見える水たまりがあった。
期待して採集(須川湿原-2)してみたが・・・。
原生生物は珪藻のみ。やはりここも水流の影響がかなりあるようだ。
観察された生物:
珪藻各種,
クロオコッカス(Chroococcus,注),
センチュウ,
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:28-10:29
近くには花が開く直前のウラジロヨウラク(Menziesia multiflora)が。
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:29
その先には大きな水たまりがあり,その奥が切り取られた壁のようになっていた。
ここが泥炭の採掘跡。上の方から水のしたたりが絶えまなく続いていた。
前回(2005.7.24)は,このまま木道を進み泥炭地帯の上をぐるりと左へ周回して,もとの場所まで戻ったが, ここから先は林の脇を歩くだけで採集ポイントはないので,今回はここから元へ戻ることにした。
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:29-10:30
1枚目:階段状の水路の上の段に小さな湿原があるので,とりあえずそこだけでも見てみることにした。
水路の手前に敷設された木製の通路を通って泥炭地の上へ上がる。
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:30
泥炭地の上に咲いていたアカモノ(Gaultheria adenothrix)(注)。
注:シラタマノキというのはシロモノとも呼ばれ,花の形はこのアカモノにやや似ているらしい。
花期は7-8月。
ただし,この時はシラタマノキに関する知識がなかったし,
なにより,ここが「シラタマノキ湿原」であることにも気付いていなかった(後で画像を見て気づいた)ので,
画像はなし。
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:32
泥炭地へ上がる途中の木道。
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:33
泥炭地へ上がり,少し高台になったところから湿原の全景をパノラマ撮影。
木道は湿原を取り囲むようにして敷設されている。
湿原の中心部にはワタスゲの群生が見える。
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:33
湿原に近付く。木道は,横に薄く広がった水路の縁に沿って敷設されているため,
所々水没する場所もあり,やや歩きにくい。
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:34-10:35
水流があるのであまり期待できないが,ひとまず木道脇で採集(須川湿原-3)。
結果は予想通り。ただし,このことは前回(2005.7.24)からすでにわかっていたので,とくに落胆したわけではない。
観察された生物:
小型珪藻多数,
ミジンコ,
ワムシ,
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:36
これより先に行ってもあまり変わらないので,ここから元へ戻ることにした。
湿原を去る前に再度,周囲をパノラマ撮影。
1,2枚目:泥炭地の上に発達した湿原。
3枚目:泥炭地から一段下に広がる水路と周辺の湿地。
注:2枚目は湿原の北縁から南側を向いて撮影している。
左〜中央に写っている手前の山は南東にある標高 約1420 mの秣岳の山裾
(または,その東にある標高1162mの小ピークの裾野)と思われる。
画面右の遠くには,直線的な白い線が見える。
あそこは,須川湖近くの登山口から秣岳へ登っていく途中の登山道(1200〜1250m付近)だろう。
秣岳とこの湿原の間には小仁郷沢という川が南から北へと流れ下っている。
その上流(ここからだと南南東側)にたくさんの池塘を伴った湿原があるらしい。
小仁郷沢を遡上すれば到達可能だが,途中に滝があるので私にはちょっと無理。
この須川湿原(シラタマノキ湿原)の近くなので,標高1162mの小ピークを東に迂回すれば600mほどの近さだ。
標高差も40m程度を登り降りするだけ。
もしかすると,そのルートがあるかも知れないのだが,,すくなくとも地図には描かれていない。
(2012.10.08追記)。
須川湿原の木道を歩く(シラタマノキ湿原,東成瀬村須川),10:36
ワタスゲ(Eriophorum vaginatum)
須川湿原の木道を歩く(東成瀬村須川),10:37
湿原を立ち去る前に,再度,湿原の奥を撮影。
須川湿原の木道を歩く(東成瀬村須川),10:38
泥炭地を降りる前に前方の水路とその周辺の湿地を撮影。
須川湿原を出る(東成瀬村須川),10:39-10:44
1枚目:水路沿いの道を歩いて(注),
2枚目:県道282号へ出る。
注:この通路沿いを歩いている時に,前方に茂みの中から男性が突然出てきた。
山菜採りに来た人だった。ここへ来る時も,山菜採りから戻ってくる数名の人達とすれ違った。
さきほどの大仁郷湿原といい,どうやらこの周辺の山々は山菜採りの人で溢れていたようだ。