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2013.03.26

中瀬沼出身のドジョウが3.25 or 3.26に死亡

2012.06.13,中瀬沼(北塩原村)にいたドジョウ,9ヶ月後に死亡
このドジョウは昨年06月(2012.06.13),友人の月井栄三郎氏が裏磐梯(北塩原村)にある中瀬沼で採集したサンプルの中に1匹だけいた。 孵化直後だったらしくまだ卵黄が残っていた。体長はわずか 2〜3 mm。このため,ピペットの狭い吸い口から中へ入ってしまったと思われる。 浮き袋がなく水底に沈んでいること,頭が大きく口の回りにヒゲがあったことから当初はナマズのように見えたが, 成長とともに身体が細長くなりドジョウらしい形になった。
当初は,ゾウリムシなどの原生生物を餌にしていたが,途中からブラインシュリンプを餌として与えた。 ある程度大きくなってからは金魚の餌も与えるようになったが,一番好んだのは最後までブラインシュリンプだった。
死亡する1ヶ月ほど前に体調をくずし,鰓の後方に白斑が出て,ヒゲが短くなった。 これはなるべく自然に近い方がよいのではと,培養している様々な原生生物(おもに藻類)を与えるようになったのだが, かえってそれが災いしたらしい。 2週間ほど前から与えた原生生物を減らし,元の状態に戻したところ徐々に健康を回復した。 白斑も消え,ヒゲも元の長さに戻って元気を取り戻した矢先の出来事だった。
なぜ死亡したか原因はわからない。前日までは元気な様子でさかんに餌を食べていた。 それが翌朝来てみると,水底に腹を上にして横たわっていたのだ。 外傷はなく,外見は生きていた時とほとんど変わらなかった。 事故か,心臓等に問題があったのか・・・。
採集時が孵化直後だったので,およそ9ヶ月の命だったことになる。合掌。
3枚目:2012.11.21,水槽の近くで休んでいる時に紙を近付いてスケッチしたもの。 この時の体長はおよそ 6.5 cm。 4枚目:死亡時の体長は10.5 cmだった。4ヶ月で 4 cm(1.6倍)成長したことになる。 (xx:xx)

マクロ撮影(xx:xx)
1枚目:頭部の様子。少し前まで元の半分くらいの長さまで縮んでしまったが,この時までにほぼ元の長さに回復していた。 2〜5枚目:胸鰭の様子。 自然の状態でもこうなのかはわからないが,水底にいて,いつも胸鰭で身体を支えていたためか鰭の先端が変形していた。 6枚目:背鰭の様子。 動き回っている時,餌を食べている時などはこの背鰭がピンと立っていたが, 水底でジッとしている時はペタンと背中に密着させていた。これである程度,体調というか身体の状態を知ることができた。 7枚目:尻鰭の様子。 8枚目:尾鰭の様子。