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2007.04.15, Part V

大峰沼(3:東岸〜北岸)

大峰沼東岸を北へ(みなかみ町),10:47-10:50
前回と同じ採集ポイント。 これまでの採集(2003.9.14, 2006.5.25) ではこことこの先の岸辺が一番原生生物の種類が多かった。今回はどうだろうか。 ここで採集。 肉眼で見るかぎりは藻塊はほとんど見当たらず,他とたいして変わらないが, 翌日以降の観察結果は以下のとおり。 昨年同様,たくさんの原生生物がいた。

観察された生物: Cystodinium, 渦鞭毛虫の一種, クリプトモナス(Cryptomonas), ペラネマ(Peranema), 小型鞭毛虫各種, アカントキスチス(Acanthocystis turfacea), ポンフォリクソフリス(Pompholyxophrys), サッカメーバ(Saccamoeba), ナベカムリ(Arcella), フセツボカムリ(Centropyxis), ディフルギア( Difflugia), Lesquereusia, ユーグリファ(Euglypha acanthophoraE. tuberculata), トリネマ(Trinema), ミドリゾウリムシ(P. bursaria), レンバディオン(Lembadion lucens), マイクロソラックス(Microthorax), ヒスチオバランティウム(Histiobalantium), キネトキルム(Cinetochilum), キルトロフォシス(Cyrtolophosis), プラチオフリア(Platyophrya similis)?, 未同定の繊毛虫(細胞体の先端から中央まで大きく裂けた口がある,見覚えはあるのだが・・・), シヌラ(Synura), マルロモナス(Mallomonas), Chrysostephanosphaera, サヤツナギ(Dinobryon sertularia), 珪藻各種, イカダモ2種(Scenedesmus), クンショウモ(Pediastrum boryanum), Coelastrum reticulatumKirchneriellaQuadrigula, コウガイチリモ( Pleurotaenium trabecula, ヒザオリ(Mougeotia), ホシミドロ(Zygnema), アオミドロ(Spirogyra), ミカヅキモ( Closterium dianaeC. intermediumClosterium libellula), ツヅミモ( Cosmarium zonatumC. contractumC. globosumC. obsoletum v. sitvense), C. obsoletum v. obsoletumC. pseudopyramidatum?, C. quadratumC. regnelliiC. pseudopyramidatumC. quadrifarium), ホシガタモ( Staurastrum gracile), イボマタモ( Euastrum ansatumE. cuneatumE. denticulatum), E. gnathophorum), E. sinuosum), ハタヒモ(Netrium digitus), ネジモ(Spirotaenia condensata), クロオコッカス(Chroococcus), アオコ(Microcystis), AphanotheceAchromatium, ワムシ,

大峰沼東岸を北へ(みなかみ町),10:51

大峰沼東岸を北へ(みなかみ町),10:51
岸辺がやや突き出した場所がある。ここは初回(2003.9.14)からの採集ポイントで,この大峰沼ではもっとも原生生物の種類が多い場所。 日当たりの良い遠浅の岸辺で,すぐ近くに浮島がある等の条件が幸いしているのだろう。

大峰沼東岸を北へ(みなかみ町),10:51-10:53
ただし,ここも今回は岸辺は枯れ草ばかりで,水中には藻塊らしきものが見当たらない。 もしかしたら,原生生物は少ないかも,などと思いつつ採集。 結果は以下のとおり。 見た目とは大違いで昨年同様,細胞数は少しずつだが,種類数としては非常にたくさんの原生生物がいた。 これまでの採集ポイントの中でも1,2位を争うほどの原生生物相の豊かさだといえる。

観察された生物: キストディニウム(Cystodinium), 渦鞭毛虫の一種, クリプトモナス(Cryptomonas), ミドリムシ(E. mutabilis,中型), 小型鞭毛虫各種, フセツボカムリ(Centropyxis), ディフルギア( Difflugia), Lesquereusia, 未同定の有殻アメーバ(pseudostome はTrionopyxisに似るが,中心から外れる。pseudostomeの無い側の殻の半分が肥厚しているTrinema), パラユーグリファ(Paraeuglypha), ユーグリファ(Euglypha tuberculata), レキチウム(Lecythium) またはクラミドフリス(Chlamydophrys), ウロネマ(Uronema), ディセマトストマ(Disematostoma bütschlii), 共生藻を持つチラキディウム(Thylakidium), 共生藻を持つプラチオフリア(Platyophrya similis), 小型繊毛虫数種, Chrysostephanosphaera, シヌラ(Synura), サヤツナギ(Dinobryon sertularia), マルロモナス(Mallomonas, 小型・だ円形), 未同定のマルロモナス(細長く,前半部が膨らみ,中央がややくびれて後端部にも丸みがある。 前端・後端部ともに棘状の突起が目立つ。), 珪藻各種, クロロゴニウム(Chlorogonium elongatum?), イカダモ( Scenedesmus acuminatusScenedesmus sp.), クンショウモ(Pediastrum boryanum), Coelastrum reticulatum, クリキゲニア(Crucigenia fenestrata ?), KirchneriellaQuadrigulaBotryococcus braunii, サヤミドロ(Oedogonium), Bulbochaete, ミカヅキモ( Closterium dianaeC. cynthiaC. intermediumC. libellula), ツヅミモ( Cosmarium connatumC. australeC. globosumC. contractumC. oblongumC. obsoletum v. sitvenseC. amoenumC. portianumC. pseudopyramidatumC. quadrifariumC. quadratumC. regnelliiC. zonatum), ホシガタモ( Staurastrum alternansS. gracile), イボマタモ( Euastrum affine?, Euastrum denticulatumE. gnathophorumE. sinuosumE. validum), ハタヒモ(Netrium digitus), フタボシモ(Cylindrocystis brebissonii), ネジモ(Spirotaenia condensata), アオコ(Microcystis), コエロスフェリウム(Coelosphaerium), AphanotheceAchromatium, ユレモ(Oscillatoria), ネンジュモ(Anabaena), HapalosiphonStigonema, ワムシ, ミジンコ,

大峰沼東岸近くの浮島(みなかみ町),10:53
同じ場所から向いにある浮島を撮影。 浮島に木が育っていた。大きな浮島で歴史が古いことの現れだろう。

大峰沼東岸から北岸へ(みなかみ町),10:54
ここは東岸の途中にある堰。沼から溢れた水がここから東へ流れ出ている。 その堰の上にある遊歩道を通って北岸へ。

大峰沼北岸(みなかみ町),10:55-10:56
この辺は日当たりが良いのだが,これまでの採集では原生生物があまりいなかった。 見た目は遠浅で草も多く,東岸の岸辺と条件は似ているのだが,,,。 考えられる原因は3つある。 1)近くに堰があるので,この辺は水の流れが結構あり,それによって流し出されている可能性。 2)近くにキャンプ場があるのが災い(有害物質等)している可能性。 3)他ではみられない葦が岸辺に育っている。葦が多い場所では原生生物が少ない傾向があるので,それが原因している可能性。 等々。 ひとまずここで採集
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種, クリプトモナス(Cryptomonas), フセツボカムリ(Centropyxis), ディフルギア( Difflugia acuminataD. oblongaD. scalpellum), Lesquereusia, ユーグリファ(Euglypha acanthophora), 珪藻各種, Botryococcus braunii, ゲミネルラ(Geminella pulchra?), ミジンコ, ソコミジンコ?(細長い),

大峰沼北岸(みなかみ町),10:57
同じ場所から,沼をパノラマ撮影。

大峰沼北岸(みなかみ町),10:59
北岸のキャンプ場へ戻る。

大峰沼北岸(みなかみ町),11:00
キャンプ場の北側。色々な案内板があり,その先に北側のコースへの出入り口がある。

大峰沼北岸(みなかみ町),11:00-11:01
トイレがあるが,入口が封鎖されていて使用不可(2枚目)。

大峰沼北岸(みなかみ町),11:01
周辺案内図。既述したように,今回は,当初,これまでまだ歩いていない北側のコースを辿って上牧駅まで行こうかと考えていた。 しかし,この案内図を見ても途中に採集ポイントになりそうな場所は何もない(注)。 さんざん思案した挙げ句,今回も往路を辿って山を降りることにした。

注:出発前に Google Earthでも確認したが,途中は樹林帯と畑作地帯があるのみで水辺は見当たらない。 水田があったとしても今の時期は水が入っていないはずだし,上牧駅周辺も利根川以外には水辺はなさそうだった。

大峰沼北岸(みなかみ町),11:03
1枚目:上の案内板の左奥に小さな広場があり,この先に北側のルートがある。 2枚目:広場の端に「登山者安全祈願」の標柱があった。 ここでまもなく 山開き登山者安全祈願祭(予定2007.5.1)が行なわれる模様。
ここでUターン。

大峰沼北岸(みなかみ町),11:07
キャンプ場の建物の近くに咲いていた カタクリErythronium japonicum)。 周囲に群生しているのはおそらくスイセン()。 画面には写っていないが,一部黄色い蕾みがついているものもあった。

Part VI: 大峰沼〜大峰山登山口〜見晴荘北の溜池
2007.04.15, 11:08 - 11:45