原生生物情報サーバ
| 原生生物学情報
| DataBook
| 実験プロトコル
大核内封入体の
酢酸ファスト・グリ−ンによる染色法
この方法は,染色法としては最も簡単な部類に属すると思われる。
細胞の集め方
まず,細胞を適当にスライドグラスの上に乗せ,乾燥させる。
このためには,内径 4~5mm程度のガラス管を引いて先が細くなった遠心管(全長 10~12,3cmを作る。これに細胞を入れて,手回し遠心でかるく回す。すると,細胞は細くなった先端部にパックの状態で集まる。この部分を取り出すには,先のさらに細くかつ長いピペットで吸い取るわけだが,そのピペットは,自分で作らなくとも,パスツ−ルピペットの長いタイプものがちょうどよい長さをしているので,これを利用することができる。取り出したものは,すぐにカバ−グラス上に塗布する。
通常,試験管から直接取り出して塗布したのでは,顕微鏡で覗いた際に視野の中に均一に,かつ,十分な数の細胞を観察することはできない。上記のようにすると,かなり細胞濃度の高い状態で,カバ−グラスに塗布できるので,それが可能となり,以後の検鏡を効率的に行なうことができる。
乾燥は自然乾燥でもよいが,早くするためには,少し離れたところから,ヘア−ドライヤ−で乾かしてもよい。
酢酸ファスト・グリ−ンによる染色
つぎに,上のサンプルを染色するわけだが,それは以下のステップで行なう。
酢酸ファストグリーン染色により検出された大核内封入体
手順
- カルノア固定( 10分 )
- DWによるカルノアの除去( 5分 x 2〜3 )
- 特に,カルノア中のエタノ−ルの除去を完全にすることが大切。
- エタノールの除去が不完全だと封入体は染まらない。
- 酢酸ファスト・グリ−ン染色( 10分 )
- DWによる洗浄( 5分 x 2〜3 )
- 乾燥
(普通,染色の途中では乾燥さないが,この方法ではいっこうに差し支えない)
- キシロ−ルにつける
- Enteran Neu を 1~2滴落として包埋。カバ−グラスをかぶせて封入。
これで完了
酢酸ファスト・グリ−ン染色液のつくり方
酢酸 | 50 容量 |
DW | 50 容量 |
粉末のファスト・グリ−ン | 適量 |
(ファスト・グリ−ンは多少とも透き通った状態でなくなるまで加える)
単離大核のFastGreen染色像
Copyright 1995-2008 原生生物情報サーバ