も く じ

なぜ交配するのですか。


 それは,品種を改良して美しい花をさかせるためです。新しい葉庵をさかせてみたいと思っている方のために, 交配のしかたを説明しましょう。
 まず,どのようなアサガオをつくりたいかを考えて,両親にするアサガオをえらびます。そのためには, 性質の優性,劣性についてしらべておきます。花の色,もよう,葉の形,色などの性質について, つねにあらわれる性質(優性)と,かくれもっている性質(劣性)のおもな関係を表にしたので参考にしてください。 母親にするほうの,明日開くつぼみの側面を夕方ピンセットでさいて,中のおしべをぜんぶ, ていねいにとり出します。その後,つぼみにふくろをかぶせて,虫が入らないようにしておきます。 父親にするほうのつぼみには,そのままふくろをかぶせておくか,つぼみの先を毛糸でかるくむすんで 開かないようにしておきます。
 つぎの朝,母親の花のふくろをとって,めしべの柱頭に,父親の花の花粉をていねいにつけます。
このとき,ピンセットでおしべをつまんでつけたり,綿棒に花粉をうつしてつけたりします。 一度にたくさんの種類の交配をするときには,交配の種類ごとに,ピンセットの先や指先をアルコールでふいたり, 綿棒をとりかえて,ほかの品種の花粉がつかないようにします。
 交配がすんだら,日付と交配した親の品種名を,母親×父親のじゅんに書いたプラスチックのふだを, 母親の花の柄につけておきます。交配がうまくいけば,子ぼうがだんだんふくらんで実になり,たねができます。 たねは,こぼれてしまわないうちに,とっておきましょう。
 つぎの年に,そのたねをまき,育てます。子の代です。花がさきはじめたら自花受粉させ, できるだけたくさんのたねをとります。かくじつに自家受粉させるには,さく前日のつぼみの先を毛糸でむすんだり, ふくろをかぶせておきます。このたねをつぎの年にまいて育てたものが,まごの代です。
 優性の性質をとり入れるばあいは,交配してできた子の代にその性質があらわれますが,劣性の性質は, 交配しても子の代にはあらわれず,まごの代になってはじめて出てきます。

遺伝(メンデル)の法則 花の色がちがう2つの(赤色と白色)を交配するととする。 赤色は白色に対して優性である。赤色の優性遺伝子をA,白色の劣性遺伝子をaであらわし, この交配の結果を図式にすると,つぎのようになる。

おもな性質の優性,劣性
  優性 劣性


 並葉  丸葉
 並葉  トンボ葉
 並葉  立田葉


 青葉  黄葉
 もようなし  斑入り


 青  紫
 青  暗赤
 青  赤
 有色  白




 ふく輪  無地
 ふぶき  無地
 無地  ふっかけしぼり

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