原生生物と日本産アリ類の広域画像データベース

4 データベースの構成と利用状況

4-2. アクセス状況

   つぎに,各サーバの利用状況,すなわち,データベースへのアクセス状況について説明する。とはいえ,現在までに農業生物資源研にあるUNIXサーバ(アリデータベース用)以外はアクセスのログは保存されているものの,その集計が終っていない。

 そのため,ここでは農業生物資源研のサーバの記録のみについて紹介する。このサーバはアリのデータベースが最初に公開された場所だが,その1995年1月の公開当初からアクセスの記録がある(図4-1)。
 それによると,公開当初はアクセスは少なかったが,95年後半から急激に利用が増えていることがわかる。冬場に一時的に減少する傾向が95年,96年と続けて繰り返されたが,全体としては増加の一途をたどっている。

 しかし,詳しくみると,最近は日本国内からのアクセスは停滞気味だが,海外からのアクセスが増加し続けていることがわかる。既述したように,アリデータベースは,まだ種の解説文などが英語訳されていないため,英語モードでは,アリの学名と画像,それと分布図しか閲覧できない。そのため,いまだに正式には海外に向けてサーバの存在を公告していない。にもかからずこのようにアクセスが増加しているのは,利用者間の情報交換や後述するサーチエンジンを使った検索によってデータベースの存在が知れ渡った結果と考えられる。

 また,具体的に集計はしていないが,95〜96年に設置した他のミラーサーバにもかなりアクセスがあることが確認されている。したがって,データベース全体へのアクセスの伸びはこれ以上なのは間違いない。

 原生生物サーバへのアクセスは,現在海外からのアクセスが国内よりも若干多い程度である。残念ながら前述のように,まだアクセスログの集計が終っていないため具体的な数値を示すことができない。アリから約1年遅れてスタートしたため,アリほど多くはないが,最近は後述するように他のメディアでも色々紹介されてるようになってきたため,かなりアクセス量が増加している。

図4-1 農水アリサーバへのアクセス集計
 農水のUNIXサーバでは,データベースの公開当初(1995.1)からアクセスの集計を行なっている。
 棒の下部にある赤い色の部分が日本国内からのアクセス数(ファイルアクセス数)を示しており,上側の青い色の部分は海外からのアクセス数を示している。
 95,96年ともに11月,12月に一時的な落込みがみられるが,1月以降再び増加して全体としては増加傾向が続いている。
 ただし,最近になるほど,日本国内からのアクセス数は落ち着く傾向にあるのに対して,海外からのアクセスは増加の一途をたどっている。しかし,ミラーサーバへのアクセスを考慮すると国内でも全体としては増加している可能性がある。右図は1997.4.6現在。