研究資材データベース構築&公開ガイド |
2-3. HTMLファイルの設計 |
ここでは,学術情報をhtml文として記述する際に留意すべき点について紹介する。
Web pageを表示する元になるのが,HTML(Hyper Text Markup Language)と呼ばれる書式(もしくは文法)で記述されたテキストファイル(htmlファイル)である。HTML文の書き方そのものについては,一般の書店やパソコン販売店の書籍コーナーなどにたくさんのマニュアル本が置いてあるので,そちらを参照願いたい(当然ながら,ネット上にもたくさんの書き方を紹介したWeb pagesがある(例))。 また,近年は,通常のワープロ感覚で作成したものを自動的にhtmlファイルとして出力してくれるソフトも増えている。したがって,このようなソフトを使用するかぎり,通常は,HTMLの書式について理解する必要はない,かも知れない。しかし,以下のように,学術情報をWeb page化して発信する場合,いくつか気をつけなければならないことがある。それらをhtmlファイルに反映させる作業は,現状では自動作成ソフトでは無理なので,ある程度,HTMLの書式について理解しておく必要がある。 自動作成ソフトで作成したものでも,出力されるhtmlファイルじたいは,ファイルの種類としては通常のテキストファイルなので,ワープロやエディタといった文書作成ソフトを使って内容を変更することができる。
HTML文の書き方に関するマニュアル本を開くと必ず書いてあるのが,WWWブラウザによる表示機能の違いである。htmlそのものは,国際組織(World Wide Web Consortium)が定めた書式だが,htmlファイル表示用のいわゆるWWWブラウザソフトは,かならずしも共通の書式(HTML文では,文中にある個々の書式をタグという)のみに従っているわけではない。 HTMLは,国際標準化機構(ISO)が定めたStandard Generalized Markup Language (SGML)と呼ばれるテキストに画像や他のテキストなど様々な情報を埋め込むための書式を定めた規約,ISO8879に準拠している。SGMLじたいは非常に複雑な内容からなるが,それを簡略化して実際に使いやすくしたものがHTMLだといえる。 各ブラウザソフトのメーカーは,より使いやすく,個性的な表現ができるようにとの思いからか,共通の書式以外に独自の書式(タグ)を追加していたり,同じ書式であってもその解釈の仕方(すなわち出力結果)がメーカーごとに異なる場合がある。さらには,同じメーカーのブラウザソフトであっても,版の違いにより利用可能な書式に違いがある(一般に新しいものほど書式の種類は豊富になる傾向にあるが,常にそうであるとはかぎらない。また,同じ書式でもその出力結果が版によって異なる場合もある。 )。このため,同じhtml文であっても,ブラウザソフトによってその見え方が微妙に,時には,まったく異なるのである。 一般のWebサイトの中には,特定のブラウザソフトでないと作成者の意図どおりには見えないことを注意書きしているものもある。これは一般のWebサイトではとくに問題にはならないが,学術系のWebサイトとしては好ましいことではない。学術情報は,本来,より広く多くの人が利用できる形で情報を提供すべきであり,特定のWWWブラウザでしか正しく見えないということがあってはならないからである。 既述したように,htmlファイル自動作成ソフトを使えば,HTMLの書式を理解せずとも,WWWブラウザに出力される状態のままhtmlファイルを作成できる。しかし,自動作成ソフトの中には特定のブラウザソフトで見ることを前提にしてhtmlファイルを出力するものが多いので,注意が必要である。その場合,他のメーカーのブラウザソフトでは,制作者が想定した通りには見えないため,結果として,最悪の場合,他のブラウザソフトを使うユーザーからはその存在を無視されてしまう恐れもある。
WWWブラウザの違いによらず同じに見えるようにするためには,作成したhtmlファイルを,いくつかの代表的なブラウザソフトで開いて見ればよい。そして,あまりに見え方が異なる場合は,市販のhtml文作成マニュアルを参照しながら,ワープロまたはテキストエディタを用いて可能なかぎり同じに見えるよう修正を施す必要がある。
→ 具体的に注意すべき主な点(準備中)
近年,ネット上で公開される情報が増大するにつれ,検索エンジンを使っても的確な検索ができないことが多くなってきている。この対策として,現在,インターネットの世界では,各htmlファイルごとにその内容を的確に示すキーワード(これをメタデータという)を挿入することが推奨されている。
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