研究資材データベース構築&公開ガイド
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 研究者は,日々の研究の過程で,写真や計測データなど様々な資材情報を作成している。しかし,それら膨大な量の資材情報の中で,論文等の形で公にされるのはごく一部にすぎない。従来はその多くが研究者の手許に残され,最終的には破棄される運命にあった。これらの資材情報をデータベース化しネットワーク上で公開すれば,学術研究に役立つ重要な知的基盤となるはずである。

 DNAデータベースはまさにそのような資材情報のデータベース化,そしてそのネットワーク公開の先駆けといえるが,コンピュータの処理能力が向上した今日,データベース化の対象となり得るのは,配列情報のようなテキストデータだけに限らない。画像や音声,動画などあらゆる情報がデータベース化の対象となり得る状況が生まれている。

 ただし,画像や数値データなど多種多様な資材情報のデータベース化しネットワーク公開する作業を,DNA情報と同様に公的機関に頼ることは事実上不可能である。このため,生物系研究資材データの多くは,研究者(個人ないし小グループ)が自らの手でデータベース化しネットワーク上で公開するのが現実的である。ここでは,そのような研究者による「ボランティアデータベース」を学術的価値のあるリソースとするにはどのような点に留意すべきか,について紹介する。

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Copyright: 2002 Y. Tsukii