みなかみ町(旧月夜野町)
古沼
ここで採集されたサンプルの観察結果を Google で検索 お知らせ

採集日:2007.4.15 ウオッちず で位置確認
古沼に到着(みなかみ町),09:51
古沼の手前で周囲をパノラマ撮影。 沼はほとんど干上がっていた。

古沼(みなかみ町),09:52
沼の手前にある標柱と各種案内板。

古沼の南端へ(みなかみ町),09:52
よく見ると沼の南端にわずかながら水が残っていたので,近付いてみることにした。

古沼の南端(みなかみ町),09:53
手前には柵があり近付けないが(注),向いの斜面には柵がないのでそちら側から近付いてみることにした。

注:柵がなかったとしても,途中はヘドロ状になっているのでとても近付ける状態ではないが,,,。

最初(2003.9.14),この古沼で採集した際にはたくさんの原生生物が観察できたが, 二度目の昨年(2006.5.25)は原生生物がほとんど観察されなかった。 この結果と今回の水の状態から推察すると,この古沼はなんらかの原因で,毎年,冬場には水が枯れてしまうのではないか (あるいは水位が激しく変動する)と思われる。 そのため,増殖した原生生物のほとんどが冬場には死に絶えるか,一部はシスト化して生き残るものの, 春先までは十分な水が供給されないため,原生生物が繁殖できないのではないかと思われる (逆に雪解け水等の影響で一時的に大量の水が溢れ,せっかく増えたものが流し出されてしまう可能性もある?)。 秋までには徐々に数が増えるものの,冬場には再び水が枯れて数が激減してしまうという変化が毎年繰り返されているのではないだろうか・・・。

古沼の南端からの景色(みなかみ町),09:54-09:55
1枚目:古沼の南端から沼の全景を撮影。 2,3枚目:こちら側にも以前は柵(支柱と鎖)があったようだ。地盤がやわらかいためだろうが,支柱がすべて倒れている。
倒れている支柱の近くでヘドロ状のサンプルを採集。 見た目はだたの黒々としたヘドロだが,翌日観察するとたくさんの種類の原生生物が少しずついた。 冬を乗り切った生物達が濃縮された状態でいたようだ。 昨年(2006.05.25)は,この後,この沼に急に大量の水が入ったことで原生生物達は希釈され,その時に採集したために原生生物がほとんど観察されなかったものと思われる。
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas), ミドリムシ( Euglena spirogyra,形が独特, Euglena sp.), ウチワヒゲムシ( Phacus tortaPhacus sp.), 小型鞭毛虫各種, アカントキスチス(Acanthocystis turfacea), スフェノデリア(Sphenoderia), ユーグリファ(Euglypha), ヒスチオバランティウム(Histiobalantium), 小型繊毛虫数種, マルロモナス(Mallomonas), 珪藻各種, クラミドモナス(Chlamydomonas), クロロモナス(Chloromonas), ミカヅキモ( Closterium angustatumC. costatumClosterium sp. gracile ?), ツヅミモ( Cosmarium depressum?), ホシガタモ( Staurastrum gracile), イボマタモ( Euastrum didelta?), Sphaerozosma, ユレモ(Oscillatoria), コエロスフェリウム(Coelosphaerium)多数, ミジンコ, カイミジンコ, センチュウ,

すでにクロサンショウウオの卵塊があった・・・(みなかみ町),09:55-09:56
多少水深がありそうな場所の水面をよくみると,だ円形で多少緑色をしたものが多数浮遊していた。これは昨年(2006.5.25)も見かけたが, クロサンショウウオHynobius nigrescens)の卵塊のようだ。 しかし,昨年は沼には水があり卵塊があるのも納得できたが,今回はこのような水の少ない状態ですでに卵があったのには驚いた。 クロサンショウウオHynobius nigrescens)は長期間に渡って産卵を続けるのだろうか? それとも今年は特別早い?

古沼の南端にて(みなかみ町),10:00-10:01
??

古沼の南端にて(みなかみ町),10:01-10:02
??

古沼の北端はカラカラ(みなかみ町),10:03-10:04
念のため北端にも近付いてみたが,こちらは完全に干上がっていた。

古沼と大峰沼の分岐へ戻る(みなかみ町),10:06-10:07

目 次 へ

HOME | 研究資料館 | 採集の記録 | 採集地ごとの生息情報 | 群馬県の他の地域