八幡平市(旧松尾村)
八幡平北西尾根に点在する湿原群
往路:八幡平頂上〜途中まで
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採集日:2007.08.23 ウオッちず で位置確認

八幡平頂上(八幡平市),13:24-13:25
1〜3枚目:展望台の手前で周囲をパノラマ撮影。 1枚目:東側。こちらはメガネ沼と鏡沼の脇を通って南にある八幡平頂上駐車場へ戻るルートの入口。 角の道標には「←鏡沼を経て駐車場 1.1 km」とある。 2枚目:北側。八幡平の北西尾根を通って北へ向う登山道。これからこちらへ向う(注1)。 3枚目:西側。展望台へ登る階段がある。 4枚目:北側の登山道の入口に立つ道標に近付いて撮影。 「蒸の湯登山口 ←5.5 km」と「見返峠下P ←1.1 km」が同じ方向を向いているが,これはおかしい(注2)。 プレートを付けるために,木の柱を削る際,削る方向を誤って同じにしてしまったのだろう。 「ガマ沼 0.4 km→」は今歩いてきた道なのでこれは問題なし。

注1:ガイドブック等によると,この北西尾根を通る遊歩道(登山道)の周辺は湿地になっているという。 池塘があるかどうかはどこにも情報がないが, もしかしたらあるかも知れないので,とりあえず歩いてみようということで今回の計画に入れた。
注2:ここから北西方向に「蒸の湯温泉」という温泉がある。「蒸の湯登山口 ←5.5 km」というのは, 蒸の湯温泉にこの八幡平頂上へ向う登山道の入口があり,ここからそこまでが5.5 kmあることを意味している。 一方,「見返峠下P ←1.1 km」と1枚目の画像にある「←鏡沼を経て駐車場 1.1 km」は同じ意味。 したがって,道の向きと合わせるためには,両者は90°向きがずれていなければならない。 具体的に云うと,「蒸の湯登山口 ←5.5 km」は「ガマ沼 0.4 km→」と同じ面になっているべき。

頂上展望台から(八幡平市),13:26
展望台に上がってみたが,周囲は樹木に視界を遮られて見通しが効かない。 写真を撮っても仕方がないので,替りに下の分岐の道の様子を撮影してみた。 左上が「←鏡沼を経て駐車場 1.1 km」のルート。こちらはしっかり敷石とコンクリートで固められている。 画面右が「蒸の湯登山口」へ向うルートの入口。 こちらは一般の観光客は入らないので,ほとんど手入れされないまま。

八幡平北西尾根沿いの遊歩道へ入る(八幡平市),13:27
さて,いよいよその「蒸の湯登山口」へ向うルートへ進むのだが,,。 入口近くにはこのような案内板が2つあった。 1枚目:「草の湯歩道 6.4 km →」(注1)。 2枚目:「八幡平頂上 0.0 km ←→ 草の湯歩道入口 6.4 km」(注2)。

注1:「草の湯」というのは,さきほどの「蒸の湯」とはまた別の温泉で,ここから北北東にある。「蒸の湯」と東西方向で反対側に位置する。 「草の湯」へは途中の県境(秋田/岩手)にある十字路で右(東)へ折れる。 ちなみに,その十字路を左折すると,西にある田代沼へ到達することができる。 田代沼はアスピーテラインに近いので,当初は,田代沼からアスピーテラインに出て頂上駐車場まで戻る,というコースも考えたのだが, それには時間が足りないので断念した。今回は,その十字路へ向う道の途中までで引き返さざるをえない。
注2:「蒸の湯」の方は登山口で,「草の湯」側は「歩道入口」。なんとなく統一がとれていないように思えるが, 地図で見ると「蒸の湯温泉」は温泉の側まで車道が整備されている。 一方,「草の湯」はそこからさらに北東へ長く登山道が続いている。 すなわち,「草の湯」は登山道の途中にある温泉で,直接,車で「草の湯」まで到達することはできない模様。
「草の湯歩道入口」というのは,距離(6.4 km)からすると,ここ(頂上)から草の湯までではなく, さらにその先の北東へ延びる登山道が林道と合流する地点のようだ。 この違いが登山口と歩道入口という表現の違いになった?

八幡平北西尾根沿いの遊歩道へ入る(八幡平市),13:27-13:28
1枚目:何はともあれ,最初はこのような薮というか樹林の間を通って降りていく。 2枚目:さて,ここから問題なのが残り時間。 復路の最終バスは頂上駐車場を 15:15 に出る。 これから1時間45分後だが,ここから駐車場まで戻るには,ガマ沼分岐までが5分,そして,そこから駐車場までが前回の経験から およそ20分前後と予想できた。おおよそ計30分。バスの発車ギリギリに戻ったのでは危険なので,10分程度余裕を持たせるとすると, これからこの登山道を下って,ここへまた戻ってくるまでに使える時間は約1時間しかない。 そこで,これから30分(すなわち午後2時まで)下っていき,2時になったらUターンすることにした。 いざ出発。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:28
少し下ると前方の視界が開けてきた。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:30-13:34
1枚目:ほどなく前方右手に狭い湿原が現れた。池塘もある。というかほとんど池塘だけの湿原。 2枚目:画面に写っている池塘が,一番大きなものだが,ここの周囲は踏み荒らしによってあちこちが裸地化している。 3枚目:その隣。笹薮の近くにも小さな池塘があった。ここは小さいためか周囲は荒らされていない。 大きな池塘(a)は踏跡を辿り,また,この小さな池塘(b)は笹薮から迫って, 採集(八幡平北西に点在する池塘-1a, b)(13:32 & 13:34)。
観察された生物: Gymnodinium, トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), ディフルギア( Difflugia oblonga), アミカムリ(Nebela collaris), 小型繊毛虫数種, 小型珪藻少々, ヒザオリ(Mougeotia), ミカヅキモ( Closterium rostratum,多数), アルスロデスムス( Arthrodesmus crassus初観察?), ツヅミモ( Cosmarium sp.,小型種), ホシガタモ( Staurastrum simonyi), イボマタモ( Euastrum humerosumの変種?), ユレモ(Oscillatoria), Gloeothece linearis (or Rhabdoderma ?), ワムシ, ケンミジンコ, ミジンコ, イタチムシ,

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:36
最初の湿原群を過ぎると林の中を下る道となる。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:39
1枚目:しかし,それはすぐに終わり,次の湿原が現れた。 2枚目:近くにあった道標。「八幡平頂上 0.4 km ←→草の湯歩道入口6.0 km」。 下り始めたのが13:28だったので,11分で400 m進んだことになる。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:39-13:40
ここは結構広い湿原だが,やや斜面になっているためか,残念ながら池塘は見当たらない(注)。 周囲をパノラマ撮影。

注:この時は気づかなかったが,前方に小さな沢(3枚目の右端?)があり,その左側に池塘があった。 復路の途中で気づいた(後述)。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:40-13:41
1枚目:タチギボウシHosta rectifolia)。 2枚目:草地にピントを合わせて撮影。 3枚目:ほぼ同じ位置から,空にピントを合わせて撮影。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:42
これはたしかヨツバシオガマ?Pedicularis chamissonis var. japonica)。 先日(2007.8.6)訪れた秋田駒ヶ岳近くの千沼ヶ原でもたくさん見かけたが,ここのものはすでに結実し,ほぼ枯れかけている。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:43-13:45
1枚目:今回参考にしたガイドブック(八甲田・八幡平・秋田駒を歩く,山と渓谷社,1999年)によると, この辺は「踏跡薄い草原」として紹介されているが,それからすでに10年近く経っているためか, 踏跡ははっきりとした登山道になっていて道を見失う恐れはなさそうだ。 2枚目:所々でこのような小さな沢を渡る。ひと跨ぎ。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:47
1,2枚目:茂みが多い所に来ると,道の右側(2枚目)に池塘らしき水たまりがあった。 ミツガシワMenyanthes trifoliata)がたくさん見える。 しかし,周囲が潅木に厚く囲まれていて近付けそうにない。 3枚目:かつては池塘に近付くための踏跡だったように見える溝があるが,靴沈んでしまうほどの水がたまっているため,歩けない。 結局,ここはパスした。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:49
樹林の中を通る道の一部はぬかるんでいる。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:51
道端に タケシマランStreptopus streptopoides var. japonicus)の実がなっていた。 これを見るのは初めて。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:52
前方にまた湿原らしき場所が見えてきた。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:53
しばらく進むと・・・。

八幡平北西尾根沿いを下る(八幡平市),13:54-13:55
1枚目:かなり小さいが池塘があった。 道からやや離れていてカップ付き指示棒も届かない。 2枚目:近くまで踏跡があったので,それを辿って採集(八幡平北西に点在する池塘-2)(13:55)。 3歩くらい草を踏み付けてしまった。 3枚目:池塘の手前の道端にあった道標。 「八幡平頂上 1.0 km ←→草の湯歩道入口5.4 km」。 頂上から県境にある十字路までは2 km位あるので,この辺が中間地点になる。そろそろ時間切れだ。
観察された生物: 太陽虫の一種, ナベカムリ(Arcella sp.), ディフルギア( Difflugia oblongaDifflugia sp.), ラッパムシ(Stentor polymorphus, 共生藻類有り), Dictyosphaerium, エレモスフェラ(Eremosphaera viridis,多数), Stigeoclonium, ミカヅキモ( Closterium sp.), ハタヒモ(Netrium digitus), クロオコッカス(Chroococcus turgidus), シネココッカス(Synechococcus), ワムシ, ケンミジンコ, イタチムシ,

ここまで(八幡平市),13:57
1枚目:山道はまだまだ続くが,,,。 2枚目:そろそろ午後2時になる。ここでUターンすることにした。

Part II: 復路:途中〜八幡平頂上 2007.08.23, xx:xx - xx:xx

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