東成瀬村(栗駒山)
栗駒山荘南の湿原
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栗駒山荘(須川高原)の西側を流れる沢の上流(南)にある小さな湿原。 南北に細長い(標高1130m)。 地図には栗駒山荘近くから沢の手前までしかルートが描かれていないが,実際には沢を渡った先にも未舗装のルートが続いている。 GPSを頼りに進んでなんとか湿原に到達することができた。 湿原の北端に池塘があり,そこにはたくさんの原生生物が生息していた。 須川高原では, 野鳥の森湿原 (これまでの観察種数:139種,訪問回数 3回)についで,ここが2番目に原生生物叢が豊か。
観察された原生生物名一覧(現在 79 種)

採集日:2012.10.07 ウオッちず で位置確認

栗駒山荘の南にある湿原へ(東成瀬村),14:23
前方が開けてきた。どうやら近くに湿原がありそうだ。

栗駒山荘の南にある湿原に到着(東成瀬村),14:23
1,2枚目:パノラマ撮影。 1枚目:道はこの先も続いているが,,。 2枚目:右に目指す湿原があった。

栗駒山荘の南にある湿原(東成瀬村),14:23
GPSで現在地を確認。南北に細長い湿原の南端にいるらしい。

栗駒山荘の南にある湿原(東成瀬村),14:23
1〜3枚目:湿原の南端から北方向をパノラマ撮影。 近くには池塘らしきものは見当たらないが,まだ先があるはずなので,とりあえず北に向って進んでみることにした。 足下は比較的しっかりしている。多少やわらかい場所もあるが,靴が沈むような所はない。

栗駒山荘の南にある湿原を北へ(東成瀬村),14:24

栗駒山荘の南にある湿原(東成瀬村),14:24
湿原の北端近く(GPSで確認するのを忘れた)まで来ると池塘があった。 手前に小さなものが2つ,奥の潅木地帯の脇に大きなものが1つある。

栗駒山荘の南にある湿原(東成瀬村),14:25
1〜3枚目:3つの池塘の前でパノラマ撮影。 1枚目:左の池塘。 2枚目:奥にある大きな池塘。 3枚目:一番小さな池塘。手前にあるが,草が多く池塘じたいも消えかかっているのでわかりづらい。 前の草が右へ倒れている。誰か(or 人以外の何か)が左から右へ移動したのだろう。

栗駒山荘の南にある湿原(東成瀬村),14:25
1枚目:まずは左側の池塘へ。 2枚目:ここで 採集(栗駒山荘南の湿原-01)。 結構いた。
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種, 小型鞭毛虫数種, 未同定の裸性アメーバ, ヘレオペラ(Heleopera), トリネマ(Trinema sp.), ディアフォロドン(Diaphoropodon), 共生藻を持つコスルニア(Cothurnia imberbis), シヌラ(Synura), Chlorobotrys, 小型珪藻少々, アステロコッカス(Asterococcus superbus), ブルボケーテ(Bulbochaete), サヤミドロ(Oedogonium), ヒザオリ(Mougeotia), コウガイチリモ( Pleurotaenium minutum = Haplotaenium minutum), ウネリマクラ(Docidium undulatum), カメガシラモ(Tetmemorus laevis), ミカヅキモ( Closterium abruptumC. idiosporumC. pronum), アルスロデスムス( Arthrodesmus incus), ツヅミモ( Cosmarium quadrifarium), ホシガタモ( Staurastrum aviculaS. simonyiS. tetracerum ?, Staurastrum sp.), イボマタモ( Euastrum cuneatumE. sinuosum), トゲツヅミモ(Xanthidium armatum), ハタヒモ(Netrium oblongum), タテブエモ(Penium polymorphum), フタボシモ(Cylindrocystis), Bambusina brebissonii, クロオコッカス( Chroococcus pallidusC. turgidus), Achromatium oxaliferum, ワムシ, ミジンコ, センチュウ,

栗駒山荘の南にある湿原(東成瀬村),14:26-14:27
1枚目:右手前の池塘。大部分が草に覆われ,池塘としての輪郭もはっきりしない。 いずれただの草原に変わってしまうのだろう。 2枚目:ここでも 採集(栗駒山荘南の湿原-02)。 水深が浅いので,干上がることが多いのだろう。原生生物は少なめ。
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種, スポンゴモナス(Spongomonas intestinum), 小型鞭毛虫数種, アミカムリ(Nebela collaris), ヘレオペラ(Heleopera), 珪藻各種, ヒザオリ(Mougeotia), エレモスフェラ(Eremosphaera viridis), ボツリオコッカス(Botryococcus sudetica), カメガシラモ(Tetmemorus brebissoniiの小型タイプ, または,未同定の別種), ツヅミモ( Cosmarium globosum), ホシガタモ( Staurastrum hystrixS. monticulosum ?, S. rhynchoceps?), ハタヒモ( Netrium digitusN. oblongum), タテブエモ(Penium polymorphum), フタボシモ(Cylindrocystis), クロオコッカス(Chroococcus turgidus)多数, スティゴネマ(Stigonema),

栗駒山荘の南にある湿原(東成瀬村),14:28
1〜3枚目:一番奥の大きな池塘へ近付く。 2枚目:右手前の池端になにやら白い四角いものがある。 何だろう?近付いて確かめなかったので画像だけではわからないが, たびたびここへ人が来ていることは確かだ。

栗駒山荘の南にある湿原(東成瀬村),14:28
池端で採集(栗駒山荘南の湿原-03)。 人工物が置いてあったりするので,原生生物はあまりいないかと思ったが, 意外にもたくさんいた。今回の採集ではここがもっとも原生生物が多かった。 初めて観察する種類も何種かいた。 小さいがそれなりに歴史のある湿原のようだ。 原生生物がどのくらいいるか,今後も訪れて採集を繰り返す必要がある。
観察された生物: マルウズオビムシ(Peridinium)多数, Gymnodinium, 渦鞭毛虫の一種, ペラネマ(Peranema trichophorum), スポンゴモナス(Spongomonas intestinum), 小型鞭毛虫数種, 小型太陽虫, コロトネベラ(Korotnevella), 小型アメーバ, トゲフセツボカムリ( Centropyxis ecornis), ディフルギア( Difflugia bacilliferaD. elegansD. oblongaD. penardi), Lesquereusia, アミカムリ( Nebela carinataN. collarisN. penardiana or N. hippocrepis?), トリネマ(Trinema sp.), ディアフォロドン(Diaphoropodon), 共生藻を持つラッパムシ(Stentor fuliginosus), ミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria), ウロトリカ(Urotricha), 共生藻を持つチラキディウム(Thylakidium), 共生藻を持つプラチオフリア(Platyophrya similis), 棘毛類繊毛虫, ヒカリモ(Chromulina), ミショコッカス(Mischococcuss) に似るが葉緑体が褐色 初観察, 珪藻各種, イカダモ( Scenedesmus microspina), エレモスフェラ(Eremosphaera viridis), ゲミネルラ(Geminella), ヒザオリ2種(Mougeotia), カメガシラモ(Tetmemorus granulatus), ミカヅキモ( Closterium idiosporumC. intermedium), ツヅミモ( Cosmarium subtumidum?, C. turgidum v. ovatum  初観察), イボマタモ( Euastrum affineE. crassum), アワセオオギ(Micrasterias truncata), ハタヒモ(Netrium digitus), タテブエモ(Penium polymorphum), ネジモ(Spirotaenia condensata), フタボシモ(Cylindrocystis), ダルマオトシ(Hyalotheca dissiliens), Bambusina brebissoniiSphaerozosma, ウシケノリ(Bangia), クロオコッカス(Chroococcus turgidus), スティゴネマ(Stigonema), Achromatium oxaliferum, ワムシ, ミジンコ, ケンミジンコ, イタチムシ, センチュウ,

栗駒山荘の南にある湿原(東成瀬村),14:28
立ち去る前に再度,パノラマ撮影。
1枚目:枯れかけたミツガシワMenyanthes trifoliata)が何本かある。 左下の板状の構造物の周囲,水底にたくさんある卵形のものは何だろう?

栗駒山荘の南にある湿原を出る(東成瀬村),14:30
この時気付いたが,左(東)の潅木地帯沿いの草が一様に倒れている。 人が通った跡のようだ(動物ならこのようには歩かないだろう)。

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