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2008.02.17, Part IX

岡発戸谷津ミュージアム

岡発戸谷津の北東端(我孫子市岡発戸,おかほっと),14:37
道の突き当りまで来ると,隣に水を張ったままの水田らしき場所があった。 手前には「谷津とのやくそく」という案内板もある。 この辺が谷津ミュージアム?(注)。 1枚目:この後,この道(ハケの道というらしい)沿いを歩いたが, この岡発戸谷津の北縁には道の両側にいくつもの水辺(池&水路),ないし水たまりがあった。

注:色々調べると,正確には岡発戸と隣接する都部(いちぶ)地区の湿地部分全体(36.7 ha)を岡発戸・都部谷津ミュージアムと呼ぶらしい。 市とボランティア団体の協力で「昭和30年代の農村環境の復活をめざす」事業として2002年から環境整備を行なっているとのこと。

岡発戸谷津ミュージアム(我孫子市岡発戸),14:39
まずは眼前にある水田らしき場所の水面に浮かぶ藻塊を 採集(岡発戸谷津-1)。 この藻塊の本体は以下のように ヨツメモ(Tetraspora)だった。
観察された生物: ノトソレヌス(Notosolenus sp.), ユーグリファ(Euglypha), プラギオフリス(Plagiophrys sp.), 棘毛類繊毛虫, モナス(Monas guttula), ヨツメモ(Tetraspora), アオミドロ(Spirogyra), ミジンコ(Sida sp.), ワムシ,

岡発戸谷津ミュージアム(我孫子市岡発戸),14:40-14:42
道を挟んで反対側の畑?跡?にも水たまりがあったので,こちらでも 採集(岡発戸谷津-2)
観察された生物: ミドリムシ(Euglena deses), トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), パラユーグリファ(Paraeuglypha), 小型鞭毛虫数種, コレプス(Coleps), スチロニキア(Stylonychia), 棘毛類繊毛虫, 未同定の繊毛虫, 小型繊毛虫数種, シヌラ(Synura), マルロモナス2種(Mallomonas), 珪藻各種, ミカヅキモ( Closterium praelongum),

岡発戸谷津ミュージアム,案内板(我孫子市岡発戸),14:43
1枚目:北縁沿いの道を進むと前方にこの谷津ミュージアムの案内板があった。 2枚目:ボランティア活動の様子や,谷津ミュージアムの案内図等が掲示してある。

岡発戸谷津ミュージアム,ハケの道を西へ(我孫子市岡発戸),14:44
案内板の先(西)にも水辺があった。

岡発戸谷津ミュージアム,ハケの道を西へ(我孫子市岡発戸),14:45
1〜3枚目:その先にあった案内板。「ホタル・アカガエルの里」 この辺に水辺があるのは,どうやらカエルに卵を産ませるのが目的のようだ。

岡発戸谷津ミュージアム,ハケの道を西へ(我孫子市岡発戸),14:46-14:48
少し行くと狭い水路?があった。 藻塊が浮かんでいたので,ここで 採集(岡発戸谷津-3)
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas), 小型鞭毛虫数種, ミドリムシ3種( Euglena tripterisEuglena sp.), プラギオフリス(Plagiophrys sp.), ウロトリカ(Urotricha), キネトキルム(Cinetochilum margaritaceum), カンパネルラ(Campanella)?, プラチコラ(Platycola), 珪藻各種, クラミドモナス(Chlamydomonas), ヨツメモ(Tetraspora), ワムシ, ケンミジンコ,

岡発戸谷津ミュージアム,ハケの道を西へ(我孫子市岡発戸),14:49
途中,ハケの道が南側へ突き出した場所で西〜北〜東をパノラマ撮影。

岡発戸谷津ミュージアム(我孫子市岡発戸),14:50
その突き出した水路部分で 採集(岡発戸谷津-4)。 ここは水路になっているので原生生物はあまりいないかと思ったが,予想に反し, ここがもっとも観察された原生生物の種類が多かった。
観察された生物: クリプトモナス(Cryptomonas platyuris), ボド(Bodo sp.), ミドリムシ(Euglena spirogyraE. tripterisE. viridis), ウチワヒゲムシ(Phacus aenigmaticusP. longicaudaP. pyrumPhacus sp.), ノトソレヌス2種(Notosolenus sp.), 小型鞭毛虫数種, コアノキスチス(Choanocystis), ポリカオス(Polychaos dubium), パラカオス(Parachaos sp. 初観察,注), トリカメーバ( Trichamoeba villosa), マヨレラ(Mayorella), ナベカムリ(Arcella gibbosaArcella sp.), ディフルギア( Difflugia), アンフィシエラ(Amphisiella), バラディナ(Balladyna), ウロトリカ(Urotricha), キネトキルム(Cinetochilum margaritaceum), ツリガネムシ2種(Vorticella) プラチコラ(Platycola), 未同定の繊毛虫(接合対), 小型繊毛虫数種, ヒカリモ(Chromulina), サヤツナギ(Dinobryon sertularia), トリボネマ(Tribonema), 珪藻各種, クロロモナス(Chloromonas), ヨツメモ(Tetraspora), ミクロスポラ(Microspora), アオミドロ(Spirogyra), ミカヅキモ( Closterium praelongum), ワムシ, ソコミジンコ, イタチムシ, ケンミジンコ,

注:Trichamoebaと同様,大型でmonopodalだが,無数のやや小さな核を持っていた。 これにもっとも近いのはParachaos属だが,文献上知られているのはP. zoochlorellaeのみ。 しかし,今回の細胞は共生藻は持っていない。新種?

岡発戸谷津ミュージアム(我孫子市岡発戸),14:51
前方に小さな小屋が見えてきた。ハケの道はその先で左に折れる(注)。

注:この時,前方の茂みの先から成田線の線路を通る電車の音が聞こえてきた。 そのため,この辺から成田線を横切って,次の目的地である梶池公園へ向おうと考えた。 頭の中にはこの辺から線路を横切る道があるような記憶があったためだが,それはまったくの勘違いだった。 後で地図を確認すると成田線の北側には線路へ向う道が描かれてあるが,成田線の南側(すなわちこちら側)には, ハケの道から成田線に向う道はなかった。

岡発戸谷津ミュージアム(我孫子市岡発戸),14:52-14:53
その小屋の手前,水田跡?に開いた穴に溜まった水を採集(岡発戸谷津-5)。 翌日の観察結果は,原生生物の種数は前のポイントよりも少ないが,ミカヅキモが3種いて,そのうちの2種( Closterium intermediumC. ralfsii) は平地ではかなり希な種類だった。 ここは谷津ミュージアムというだけあって,原生生物相がかなり豊かといえる。
観察された生物: 渦鞭毛虫の一種(多数), クリプトモナス(Cryptomonas), トラケロモナス(Trachelomonas volvocina), ミドリムシ類の鞭毛虫, サッカメーバ(Saccamoeba), マヨレラ(Mayorella), ウロトリカ(Urotricha), スチロニキア(Stylonychia), 棘毛類繊毛虫, クロロモナス(Chloromonas), ミクロスポラ(Microspora), サヤミドロ(Oedogonium), ミカヅキモ( Closterium acerosumC. intermediumC. ralfsii), ケンミジンコ, センチュウ,

岡発戸谷津ミュージアム,ここから成田線を横断しようとしたが・・・(我孫子市岡発戸),14:53
採集後,前方の茂みを見ると,坂を上がる小道があった。 上述のように,この時は,この辺に成田線を横断する踏切があると思い込んでいたので, てっきり前方の坂道が踏切へ向う道だと信じて疑わなかった(注)。

注:坂へ向おうとした時,小屋の脇にいた人が私に声をかけてきた。 近所の農家の人で,この谷津ミュージアムの維持管理に関わっているとのこと。 色々話した後,前方の小道を上がれば「成田線の線路へ出られますか?」と尋ねたところ, 出られるとの返事。ただし,私は踏切があるかどうか(ないし線路を越えられるか)を尋ねたかったのだが,質問の仕方が悪かった。 後でわかるように,たしかに線路際までは近付けるが,この近辺に踏切はなかった。

成田線の南側へ(我孫子市岡発戸),14:55
自転車を小脇に抱えながら坂を上がる。

成田線の南側へ(我孫子市岡発戸),14:55-14:56
1枚目:坂を上がると前方に線路があったが,金網柵で仕切られていて線路を越えることは不可。 2枚目:前方にも道が続いていたので先(東)へ進んでみた。

成田線の南側,しかし結局・・・(我孫子市岡発戸),14:56-14:57
1枚目:丘を降りる。左側には成田線の線路が見える。 2枚目:かなり急な階段を降りる。

成田線の南側,踏切がない(我孫子市岡発戸),14:58
丘を下る途中にある広場。ここも北にある線路際は金網柵だけで踏切はなかった。

結局,元へ戻った(我孫子市岡発戸→湖北台),14:59-15:00
1枚目:広場の先にある階段を降りると・・・。 2枚目:さきほど谷津ミュージアムへ入った住宅地の角へ出てしまった。 結局,最初の予定通り前方にある住宅の間にあるT字路へ進むこととなった。

Part X: 梶池公園
2008.02.17, 15:01 - 15:17