Difflugia biwaeは過去,琵琶湖で大発生していた。
川村は,日本淡水生物学上巻で「本種は新種(固有種)にして特有の形の殻あり,
秋季琵琶湖の沖部全面に浮遊するものなり」と記載している。
しかし,その後改訂された日本淡水生物学(川村 1973)では本種は除外され,
近年発刊された各種動物プランクトン図鑑類等でもD. biwaeの記載は除外されている。
この理由としては,本種の原記載が古く,スケッチのみで写真などが示されていないことや,
完模式標本や副模式標本の指定がないことが考えられる。
一瀬氏らは,20数年間におよぶ琵琶湖のプランクトン調査の結果,これまでに数回,
生きたD. biwaeに遭遇し,写真撮影や走査電顕写真,スケッチ等を行っている。
また,滋賀県水産試験場で長年所蔵されていたホルマリン固定標本の中から大量の
D. biwaeの個体を発見し,永久プレパラートを作成するとともに,
大きさのばらつきなどについて測定した。
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