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ビタミンの溶かし方


 これは,ゾウリムシを無菌培養しようとした際に,用いる培養液(表1)に加えるビタミン混合液のつくり方である。適当に混ぜればよいというわけではなく,中には順番を間違えると非常に溶けにくいものがある。そこで,決まった手順で混ぜ合わせる必要がある。

1:まず, Folic acid, Riboflavin を少量のD.W.に入れ,これに少しずつ 1 N NaOH を加え溶かす。そして,最後にD.W.を加え100 ml に adjust する。(ただし次のステップ2で多少量が増えるので,正確に100 ml にしないで,少し余裕をもたせた方がよいだろう。)

2:つぎに,これに他のビタミンを加えるのだが,**−HClのかたちのビタミンが多いので,pHはアルカリからいっきに酸性側へ傾く。とくにチアミンは加える量が多いので注意する。酸性になると白濁してくるので,濁ってきたらNaOHでpHを7.0 に adjust する。これで,できあがりである。

* 0.001 mg/ml で十分?

注意;脂質であるTEM-4T,ないしPE(ホスファチジルエタノールアミン)(実際には後者のほうが手に入れやすいだろう)は,一応水にとけるが,粉末のまま培養液に混ぜると,大きめの固形のものがなかなかとけずに困ることがある。そこで,小さな試験管などでいったん暖めるなどして水に溶かしてから(このときなかなかとけないようだったらピペッティンクをしてやる)培養液に加えるとよい。

Vitamines は,100 倍の原液をつくり冷凍庫に保存し,使用時に解凍して必要量を混ぜ合わせる。室温で保存する場合は,滅菌しなければならないが,冷凍庫に保存するなら必要ない。ビタミンの中には不安定なものもあるはずなので,できれば冷凍庫保存が望ましい。

**  NaOHで溶かしてから混ぜ合わせる。pH9.0 位で十分。
*** R. Allen らは,25.0 ug/mlを採用している
#   適当な量を別に溶かし必要量を混ぜ合わせる
   500ug/mlをDMSO(50%)に溶かした。


出典


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