原生生物情報サーバ 実験プロトコル

実験に使用する器具類について

デプレッションスライド


 これは,厚さ1cm前後のガラス板に3つの円いくぼみ(1cm3 )をつけたもので,くぼみの中に培養液などを入れ,マイクロピペットで単離した細胞を培養したり,相補的な接合型の細胞を混ぜ合わせて接合を誘導したりするのに用いる。大きさが手頃なので,これを双眼実体顕微鏡の下において,細胞の様子を観察するのに用いる。市販品としてはポピュラ−なものではないので,従来は特別注文により作ってもらっていた。しかし,最近では,市販品として販売もされるようになり,手軽に手に入れることができるようになった。ただし,デプレッションスライドといってもいろいろあり,研究分野ごとに都合のよい形のものが作られている。したがって,ゾウリムシ用に設計されたものを指定して購入する必要がある。

 市販品: プレス型血液反応板 穴径22mm

           東北大型 10 x 27 x 87   定価 1,100円

 これで,細胞を単離したり,同じ単離操作を繰り返すことで雑菌を除去する場合は,作業中に空気中から雑菌が混入することを防ぐため,プラスチックでできた覆いを利用する。三方が塞がれ,一方だけが空いていてそこからデプレッションスライドの出し入れを行う簡単なものだが,これで十分雑菌の混入を防ぐ効果がある。

 また,培養を行う際は,デプレッションスライドの中の培養液に細胞を単離し,これを通称「弁当箱」とよばれる金属製の入れ物のなかにいれる。これは,外から雑菌が落ちてくるのを防ぐためだが,金属製にしてあるのは,乾熱滅菌できるようにするためで,簡単なものとしては,プラスチックの入れ物を利用してもかまわないだろう。「弁当箱」の中には,ガラス板が4枚,間にデプレッションスライドをはさんで重ねてあり,これらのあいだに細胞培養用のデプレッションスライドを入れる。


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