原生生物情報サーバ | 実験プロトコル

実験に使用する器具類について

ピペット


ガラス管をガスバ−ナ−で引いて使っていたが,市販のパスツ−ルピペットでも一応の用は足りる。しかし,短いので試験管から溶液を取り出すのにはちょっと不便である。

*ピペットをガスバ−ナ−で引いてつくる方法,コツについて


移植用ピペット

 ピペットには,2種類ある。ひとつは,通常試験管内の細胞を培養液とともに吸い取って他の試験管やデプレッションスライド等に移す際に使用する細胞移植用ピペットである。従来は長めのガラス管(外径 8 mm,肉厚 1 mm,硬質のものがよい)から自作していた。ガラス管を適当な長さ(各自によって異なるが,試験管の底からすいとることもあるので,それだけの十分な長さをもっていたほうがよい)を決めたらその約2倍の長さに切り,これの真中をガスバ−ナ−であぶる。ガラスが柔らかくなってきたら,頃合を見計らってバ−ナ−の炎の外に出してゆっくりと引っ張る。この際,ガラス管の周囲が一様に暖まらないと,ひっぱる際にゆがんで伸びてしまう。炎の中でゆっくりとガラス管を回転させながら均一にあぶることがコツである。

 また,ひっぱる際にやわらかくなったものを急に引くと,細い口先になってしまう。そこで,炎の外に出した後,いっとき間をおいてから引くのがコツである。かといってあまり時間がたって冷えてしまうと十分に細くすることができない。その間合いは各自経験によって学んでいくしかない。

 この細胞移植用のピペットは,先に示したように市販のパスツ−ルピペットで代用することができる。ただし,長さが少し足りないのが欠点である。長めのものもあるが,これは先の細い部分が全体の半分位あるもので,試験管(18 x180 mm)から細胞を移植する為には適さない。(注;ただし,これは他で述べるが,長めのパスツ−ルピペットは,手製のガラス管を加工してつくった遠心管を使用して手廻し遠心を行う際,細い管の底に集まった細胞を吸い取るのに大変便利である)。



マイクロピペット

 2番目のピペットは,細胞を一つずつ「つまんで」移植を行う際に使用するマイクロピペット(ミクロピペット)である。このピペットのつくり方は,以下の要領で行う。

 まず,通常のピペットで先が折れたりして使えなくなったものを用い,各自好みの長さの部分をガスバ−ナ−で熱し,細く引いてつくる。この際,もとの太さのガラス管から引いたのでは,あまり細い先にならないので,いったんかるく引いて,あるていど管の細い部分をつくり,さらにこの部分を熱して引く。こうすると,なめらかに先が細くなっていくピペットができる。

 硬質のガラス管を使った場合,火力の強いふいご式のバ−ナ−を用いないとガラス管の加工ができない。一方,パスツ−ルピペットは軟質ガラスを使っているので,ガス管から引いただけのバ−ナ−で十分加工することができるので便利である。


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