原生生物情報サーバ
| 原生生物学情報
| DataBook
| 実験プロトコル
λファージの分離・精製
λc857Sam7を利用したファージの分離・精製
これは42゚C以上で短時間処理することでファージの誘発が起こる突然変異で,かつ5時間くらいは溶菌がおきないのでその間に細菌細胞内に蓄積されたファージを菌体とともに沈澱させることができるのでファージの濃縮が簡単になる。
方法:
- 白金耳についた大腸菌,λc857Sam7を新しい培養液(40ml)に移植,一昼夜培養する。
- 翌日,新しい培養液(40ml)を追加し1〜2時間後,42゚Cに〜30分インキュベート。そののち37゚Cで培養をする。このままさらに一昼夜おけば細胞外にファージが出るので,外液からファージを集める。
- 4〜5時間後,遠心し菌体を集める。
- 集めた菌体をリゾチーム溶菌液(10ml)に懸濁させて細菌細胞壁を溶かす。溶菌が十分起きたことを確認した後,DNaseIを添加し大腸菌DNAを分解。
- 遠心またはミリポアフィルターにより残った細菌細胞を完全に除去する。
- バクテリア・フリーとなった上澄み液(40ml)に対し以下を加える。ゆっくりと撹拌すると次第に透明だった液が白濁してくる。白濁の程度はわずかだが,これが沈澱を起こしたファージ粒子である。
- NaCl 1.4 g
- ポリエチレングリコール6000 3.2 g
- 遠心(2000rpm x 15' で十分)により沈澱を集める。
- 沈澱を以下の溶液に溶かす。溶かすというよりは懸濁するといった感じか。
- NaCl 100 mM
- MgCl2 10 mM
- TrisHCl 10 mM pH 7.0
参考文献:分子生物学実験マニュアル 共立出版
Copyright 1995-2008
原生生物情報サーバ