公開講演会:生物多様性研究・教育を支える広域データベース
微 小 貝  山田まち子
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 このような画像データベースを、たった一人でどのように制作しているか、ということを、ここで少し簡単に説明します。今後このようなサイトを個人で構築される方の参考になればと思います。

 まず、個人レベルでパソコンで画像データベースを作成するためのソフトウェアとしては、エクセルやマイクロソフトのアクセス、ファイルメーカー、ソフトヴィジョン社の DBPro などがあります。

 また資金に余裕があれば、ネット上でダイレクトにデータベースを直接検索できる、データベースサーバを、レンタルサーバとしてまるごと借りることもできますが、個人ではとても高嶺の花です。

 そこで私の場合(Windows マシン)ですが、Paradox7 というデータベース作成ソフト(このソフトは現在は販売されていません) によりテキストベースのデータを作成します。Paradox7 を使用した理由は、データベースを自由に操作できるDelphi (デルファイ)というプログラミング言語と親和性が高いためです。

 作成したデータベースのコードに対応した画像写真は、データベースに含めずに別に保存します。これは後に新しいデータベースソフトに乗り換えた場合の移植をスムーズに行うために、あえてデータベースに画像を含めていません。

こうして作成したデータベースを、自分のホームページで使いやすいように加工するために、先程紹介した、Paradox と相性のいい Delphi で、変換用のソフトウェアをプログラミングします。DelphiはObject Pascalの言語処理系でGUI環境で部品を置いていく感覚で開発していきます。データベースのデータの処理に強く、安定して高速にデータを処理することができます。

 しかし、まったくプログラミングの経験がないと、ここはちょっと辛い部分かもしれません。プログラムができなくても、データベースソフト自体がHTMLを吐き出してくれるソフトもありますので、プログラミングはちょっと…という方は、そういったソフトを利用されるといいでしょう。Windows では、DBProなどが画像付データベースをHTMLに書き出す機能に対応しているようです。その場合、微小貝の「かたちでさ がす」「学名でさがす」「和名でさがす」のような、書き出した個別のHTMLをリストとしてまとめるHTMLを別に作る必要があります。

 さて、このようにして作成したサイトデータは、現在250メガバイト以上になります。このぐらいの容量になりますと、プロバイダーさんでちょっと借りるようなディスクスペースでは、とても対応できません。

 丁度3年ほど前に、関西学院大学の情報処理研究センターの雄山先生と、日本貝類学会の創始者である、故 黒田徳米先生の収集品「黒田コレクション」をデータベース化するプロジェクトに参加させていただくことになったご縁で、関西学院大学のサーバ内に「微小貝」http://shell.kwansei.ac.jp/~shell/ を置かせて頂くことになりました。これで膨大なデータの避難場所ができたわけです。サーバの容量に悩まされることなく、安心し てデータを追加できる環境になりました。

しかし関西学院さんのサーバでは、CGI などを使うことができないので、翌年に民間のレンタルサーバを1台別に借りてURLも取得し、微小貝のミラーサーバ WWW.BIGAI.NE.JP として運営しています。

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