公開講演会:生物多様性研究・教育を支える広域データベース
私的ハゼの百科事典  向井貴彦(東京大学 新領域創成科学研究科)
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 サイトを公開して,それなりにアクセス数が増えるとともに,多くの人が掲示板への書き込みやメールをくださった.研究者からの問い合わせや意見はほとんどなく,基本的には自然に興味のある人たちとの交流だったが,ナチュラリストとしての自分が楽しめるものを作っているのだから,ある意味当然の結果である.

 しかし,そうした交流は,非常に有意義なものである.また,こちらがどのような情報に通じており,どういった考えを持っているのかをウェブサイトを通じて公開しているので,相互に有用な情報を持つ方と意見や情報を交換しやすい.はじめは他愛ない質問や意見の交換から始まっても,その後,お互いのサイト間で行き来して理解が深まることもある.これが,例えば一般市民の自然系サイトに,いきなり自分は研究者であるとかいって,意見や質問を寄せても,相手からすればメールを書いてきた人物のことはよくわからないのだから,警戒されたり誤解されたりして,なかなかうまく話が通じないこともあるだろう.人の信頼を得て,お互いを理解するには,やはり自分自身のことを知ってもらわなければならないのは,当然のことである.

 他の研究者との交流も同様であり,こちらが興味深い内容のサイトを運営していれば,学会・研究会などのときに話しかけてきてくださる方も多く,情報交換や共同研究の発端となる.こうした交流の広がりは,サイトの運営をすることで得られる利点である.

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