公開講演会:生物多様性研究・教育を支える広域データベース |
牧野標本館タイプ標本データベース 木原 章(法政大学 自然科学センター),加藤英寿(東京都立大学 牧野標本館) |
2.データベース化への道のり | ||
2−2 ラベル情報入力 |
さて,では実際にラベル情報を入力する作業であるが,以下の入力項目を設定した(図3)。
図3 設定した入力項目 標本番号,学名,和名,科学名および科和名,採集地名,採集者,採集年月日,採集者番号,重複標本の所在,タイプ標本の種類,原記載(文献情報),[現行学名],[現行和名],[現行採集地名] |
このうち,[現行学名],[現行和名],[現行採集地名]は,ラベルには記載されていない情報である。しかし,データベースとして公開するために必須であると考え,データ入力中に追加した。個これらの情報を追加するためには,昔の和名や学名と現在の名前を対照する作業や,さらに地名を現在の名前に対応させるために,当時の牧野富太郎の足跡を追う等,かなりの労力を要する仕事であった。
また,既に記したように,当データベースは我が国最初の植物標本データベースであることから,他に参考とする物が無いままに,独自の判断でデータ項目の設定を行った。しかし,最終的には全国・全世界の植物標本が共通したフォーマットを持つことが,今後のデータベースの広がりの中で必須に成る。現在行われているGBIFの活動の中で,世界的に共通の入力項目の設定が一日も早く行われ,当データベースもその形態に適応可能なデータ形態へと進化していくことが期待される。
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