遺伝子記号 | 英 名,和 名 | 連 鎖 群 番 号 |
説 明 | ||
a-l | a-l white,a-1 白 | IV |
白色花,緑茎,花冠は環境によっては,わずかに着色することがある。
+a-l は+ca,+c-1,+r-l,+r-2,+r-3および+c-3とともに花色表現の基本的補足遺伝子である。 | ||
a-lf | flecked-l,雀班-l | VI |
花冠には花青素の小さな条斑があり,花筒は有色。a-1の対立遺伝子。 | ||
a-2 | a-2 white,a-2 白 | V |
a-1白に同じ。 | ||
a-3 | a-3 white,a-3 白 | V |
a-1 白に同じ。 | ||
a-3f | flecked-2,雀班-2 | V |
a-3の対立遺伝子。胚軸にときどぎ条斑がある。花に小さい花青素の条斑がでぎる。易変遺伝子で全色に転化する。
見本 [雀斑 ] | ||
a-4 | a-4 white,a-4 白 | I |
a-l 白に同じ。a-1,a-2,a-3と同義遺伝子。 | ||
ab | albescent,帯白色 | |
子葉は白っぽく子葉柄も白い。第1葉はとくに白いが,後に出る葉は次に普通となり,発育した植物体は何ら変っていない。生活力は幾分低い。稔性は普通。 | ||
ac | acuminate,南天 | IV |
子葉柄は子葉に付着する部分で太くなり,葉片は深く裂けて,先が尖り,縁辺は裏にまくれ,しばしば複葉となる。花冠は漏斗状であるが,口径は小さく開き,縁辺がまくれ,ときどき不規則に裂ける。花筒はやや長い。稔性は低い。
見本 [
南天1 ;
南天2 ;
蓑葉 ;
宝蓑葉 ;
蝙蝠南天
] | ||
al | albino,白子 | |
子葉はほとんど純白,ごくわずかに葉緑素を含む。発芽後10-14日で枯れる。 | ||
am | amber,琥珀 | |
子葉は初め鮮黄色で後に淡黄邑となり,発芽後しばらくして枯れる。 | ||
ar | anchor,錨葉 | |
葉柄は葉片の付根で太くなる。しかし屈曲しない。 | ||
B-1 | Blown-1,林風-1 | I |
子葉柄は子葉の付根で太くなる。葉柄にも同様な特徴が現われ,そのため葉片は手でしごいたような形となる。
見本 [
林風 ;
林風立田 ;
蓑葉 ;
宝蓑葉 ]
| ||
B-2 | Blown-2,林風-2 | VIII |
前者に似ているが,それほどいちじるしくない。 | ||
B-3 | Blown-3,林風-3 | V |
B-1に同じ。B-1,B-2と協力して林風形を現わす。 | ||
b-4 | bIown-4,林風-4 | |
上のものよリー層はつきりしなくて,上方の葉では特徴が分らなくなる。 | ||
bb-l | bobbed-1,断髪-1 | II |
植物体に生じる毛が短い。萼の毛は見やすい。 | ||
bb-2 | bobbed-2,断髪-2 | I |
毛が短い。 | ||
bd | broa,太葉 | |
葉の腰が太く,丸葉遺伝子をヘテロにもった並葉に似ているが,葉形が少し乱れる。 | ||
bf | buff,淡黄種皮 | |
種皮が淡い褐色。 | ||
Bh | Bushish,群生葉 | III |
葉は小さく叢生する。bsで表現される叢生と似ている。 | ||
bk | broken,破れ | |
葉は深く裂け込む。花弁は不規則に裂ける。 | ||
br | brown,褐色種皮 | I |
種皮がココア色より明るく褐色である。 | ||
brm | brown mutable,易変性褐色種皮 | I |
brの対立遺伝子で優性てある。易変遺伝子。 | ||
bs | bushy,叢生性 | III |
葉は小さく,草丈やや低く,少しく叢生。稔性は普通。 | ||
bu | bush,叢生 | |
枝蔓が叢生して草丈約60センチ。稔性が低い。 | ||
bv | brim vein,はだぬぎ | V |
翼片の下底で葉脈は縁辺に接して縁どりしている。花はや大きい。 | ||
Bz-1 | Blizzard-1,吹雪-1 | IV |
B-2,B-3と協力して花に友禅摸様をつくる。すなわち濃色地に淡色の条斑,または淡色地に濃色の条斑を現わし,ときには美しい白斑が濃色地にでる。 | ||
Bz-2 | Blizzard-2,吹雪-2 | |
B-lに同じ。 | ||
Bz-3 | Blizzard-3,吹雪-3 | X |
B-1に同じ。 | ||
bz-4 | blizzard-4,吹雪-4 | |
劣性の友禅摸様。 | ||
c-1 | c-1 white,c-1 白 | III |
有色茎白花,花筒は常に白。+c-1は+ca,+c-2,+c-3,+r-1,+r-2,+r-3および+aとともに色素発現の基本的補足遺伝子。 | ||
c-2 | c-2 white,c-2 白 | III |
同上 | ||
c-3 | c-3 white,c-3 白 | |
同上 | ||
ca | ca white,白種子-1 | I |
白花白種子,緑茎,花筒は常に白,+caは+c-2および+c-3とともに色素原をつくる。 | ||
cai | ivory,象牙種子 | I |
caの対立遺伝子,種子は象牙色,緑茎,白色白花筒。 | ||
cb | cb white,白種子-2 | III |
caと協力して白種子をつくる。 | ||
cd | contorted,捻梅 | I |
花冠の星状部が葉緑素を含んだ機械的組織を有するため,花が捻れて咲く。ときには手で開かないと開花しない。 | ||
ch | chocolate,チョコレート種皮 | |
種皮が暗褐色でココアより濃い。 | ||
cl | curly,縮れ | |
子葉は小,葉片は葉柄に直角に屈曲し,葉の着生状態が卍状に捻じれたように見える。完全不稔。 | ||
cm-1 | crumpled-1,打込-1 | I |
葉に打込がある。劣性であるが,笹,乱獅子,縮緬,手長牡丹には上位である。 | ||
cm-2 | crumpled-2,打込-2 | IX |
cm-1に同じ。 | ||
cm-3 | crumpled-3,打込-3 | II |
cm-1に同じ。 | ||
cm-4 | crumpled-4,打込-4 | III |
cm-lに同じ。 | ||
cm-5 | crumpled-5,打込-5 | II |
cm-1に同じ。 | ||
cm-5D | crumpled-5 dominant,打込-5優性 | II |
cm-5の優性対立遺伝子。 | ||
cn | chesnut,淡褐色種皮 | VIII |
淡褐色種皮。 | ||
co | cocordate,丸葉 | II |
心臓形の葉。 | ||
coH | Hederacea leaf,ヘデラセア業(アメリカアサガオ型葉) | |
アメリカアサガオ(Pharbitis hedeeracea)との交配雑種から交配雑種から移入された。中央の葉片は深く切込んでおり,翼片はしばしば再裂する。 | ||
coa | cocoa,ココア種皮 | |
褐色(br)よりも濃くチョコレート(ch)よりも淡い種皮。 | ||
cp | crêpe,縮緬 | II |
縮緬地の葉,花筒の折込のために生じる盃状の花には変化が多い。蕾は有毛。 | ||
cpr | reversed,台咲 | II |
縮緬の対立遣伝子で劣性,花は台咲であるが,葉は縮まない。 | ||
cr | cream,クリーム | III |
花はクリーム地で花青素の条斑が入る。胚軸は緑,時に条が入る。易変遺伝子で全色花の普通に返える。Ry-1でなくRy-2に連鎖する。 | ||
cs | criss-crossed,石畳 | X |
花はしばしば花筒の基部まで切れ,細い花弁は互に交叉する,萼は幾分広い。 | ||
Cse | Curved sepal,曲り萼 | |
萼片が曲る。アメリカアサガオ(P. hederacea)との交配から移入された。 | ||
ct | contracted,渦 | V |
子葉ならびに葉は形詰って深緑。葉肉厚く脆い。花輪も種子も小さい。時たま易変的になって正常に返える。 | ||
cu | couple,夫婦咲 | I |
葉腋に2個の花便を生じる。第2の花は数日おくれて開く。 | ||
Cy | cream yellow,クリーム黄 | III |
吹掛絞りの花の地色がクリームがかった黄。 | ||
D | Dilute,減色 | VI |
標準花色のBradley's blueをamparas purpleに減色する。 | ||
dc | deep-crumpled,深打込 | |
葉の打込がいちじるしい。 | ||
de | deformed,手長牡丹 | III |
子葉は丸く肩がこけ,裂片は浅く切込み,子葉柄が長い。葉は肉薄く葉柄が一般に長い。蔓にくせがあって姿が乱れる。花は八重咲,蕋が弁化する。 | ||
df | deficient,欠葉 | |
子葉にときどき細かい白斑がはいり,そこが不規則に欠除する。葉や花でもしばしば白斑が現われ,そこが欠除する。 | ||
dg-1 | drgonfly-1,蜻蛉葉-1 | VI |
葉の中央裂斤は著しく長くなり翼片は左右に1乃至2個。花冠は幾分大きく,曜はまれに5条を越える。 | ||
dg-2 | dragonfly-2,蜻蛉葉-2 | V |
dg-1に同じ。 | ||
dg-3 | dragonfly-3,蜻蛉葉-3 | I |
dg-1に同じ。 | ||
dg-4 | dragonfly-4,蜻蛉葉-4 | III |
dg-1に同じ。蜻蛉葉遺伝子は同義遺伝子である。 | ||
dh | dwarfish,萎縮 | |
矮性で草丈38cm内外,渦性で子葉は小形,不稔。 | ||
di | djngy,ススケ | |
Ridgwayのmauveのような暗い花色。 | ||
dk-1 | duskish-1,偽柿-1 | X |
柿色に似て著るしく淡い。最も濃い藍色の場合を Ridgway の vinaceous purple とする。duskish-l は少なくとも次のような複対立遺伝子を包括する。 high-ruled (線が多い),medium-ruled (線が普通にある),unstable-plain (不安定全色),stable plain (安定全色)。色々な反復変異を起す。 | ||
dk-2 | duskish-2,偽柿-2 | |
偽柿-lとは異っていて柿に似ている。 | ||
dl | delicate,笹 | IX |
子葉は脈が目立ち裂斤は細い。葉は肉薄く,肩が少しこけ,裂片の先が鋭く尖る。花は細く5裂し,稔性が低い。
見本 [
笹 ;
立田笹 ;
糸柳 ;
糸柳一重 ;
糸柳一重;
糸柳牡丹 ;
柳白采咲牡丹 ;
柳采咲牡丹 ;
笹牡丹 ;
笹桔梗牡丹 ;
林風獅子笹の奇形 ;
蓑葉 ;
宝蓑葉 ] | ||
dlm | delieate mutable,不安定笹 | IX |
笹の優性対立遺伝子で,しばしば正常に転化する。 | ||
dp | duplicated,牡丹 | VI |
花は芯まで八重となる。花を割って見ると,花の中に萼をもった蕾が幾重にも存在する。開花後内部の蕾が開くことがある。雌雄蕋全然欠除。
見本 [
牡丹 ;
牡丹咲 ;
笹牡丹 ;
獅子牡丹 ;
獅子牡丹 ;
獅子牡丹 ;
獅子牡丹 ;
台咲牡丹
糸柳牡丹 ;
柳白采咲牡丹 ;
柳采咲牡丹 ;
笹桔梗牡丹 ;
] | ||
dt | dotted,斑点花 | |
茎と花に花青素の斑点が現われる。易変化遺伝子。 | ||
dv | defective,栄養不足 | |
種子甚だしく痩せ,汚れたような淡褐色,気乾の種子の重さは普通のものの半分,苗は痩せて小さく形が整はない。生活力は幾分弱く,稔もやや低い。 | ||
dw-1 | dwarf-1,木立-1 | II |
子業軸は短く,子葉は硬い。蔓は太く,約75cm内外しか伸びない。節間は短い。花冠は星形。 | ||
dw-2 | dwarf-2,木立-2 | IX |
木立-1に同じ。 | ||
dw-3 | dwarf-3,木立-3 | V |
木立-1に同じ。 | ||
dwy | dwarfy,にせ木立 | |
蔓は短く,節間も短いため葉が密生する。 | ||
dy | dusky,柿 | III |
いわゆる柿系続の花色を表現するもので,濃藍に該当するものは,Ridgwayのdark hyssop violetである。+dy,+dk-1,+dk-2および+dl は補足遺伝子で正常をつくる。 | ||
e | extended,全色性花筒 | VII |
淡色性(fainted)に働いて花筒を全色にする。 | ||
e-ab | albescent-enhanced,帯白色強勢 | |
帯白色(albescent)の働きを強める変更遺伝子。子葉は肉薄く細形となり白さを増す。 | ||
e-cd 1 | contorted enhancer-1(捩梅強化第1) | |
捩梅の程度を強める。 | ||
e-cd 2 | contorted enhancer-2(捩梅強化第2) | |
同上 | ||
e-cm | crumpled enhancer | |
打込を強化する。 | ||
ef | early flowering,早咲き | |
花が時期的に早く咲く。 | ||
e-sp | speckled enhancer | |
花の斑点を多くする。 | ||
e-Pj | projected enhanced,突起強勢 | |
突起(Projected)遺伝子に働いて,それを強める変更遺伝子。葉に大きな突起を生じる。 | ||
Ex | Expanded,覆輪拡大 | V |
花の覆輪を拡大するから,花の中央に星状の色彩をのこすのみとなる。 | ||
f-1 | fasciated-1,帯化-1 | VIII |
帯化茎に関する遺伝子で,その表現はf-2,f-3と協力を要する。変異性が高く時折表現型が普通となる。花はしばしば乱れ,稔性は低い。 | ||
f-2 | fasciated-2,帯化-2 | VIII |
f-lおよびf-3と協力して帯化を生じる。 | ||
f-3 | fasciated-3,帯化-3 | I |
f-1およびf-2と協力して帯化を生じる。 | ||
fa | fainted,淡色性 | V |
花色を薄める。dk-2(偽柿-2)に強く連鎖している。 | ||
fd | faded,褪色性(暈) | I |
胚軸は緑色であるが,下部の地面に入ったところに少し紅味がある,。花色はごく淡色,覆輸に入いると雲輪が現われる。 | ||
fds | smeary,うす汚れ(しみ暈) | |
褪色性(暈)の対立遺伝子。花色をうすめる。強く働くと濃藍をRidgwayのlight violet-blueにする。覆輪があるとその内部に濃輪がてきる。 | ||
fe | feathered,獅子 | II |
子葉にも葉にもしわがあって巻く。花冠はしばしば裂け,羽毛状の小弁が附属して奇態を呈する。稔性は極めて低いか,不稔である。
見本 [
獅子1 ;
獅子2 ;
獅子3 ;
獅子4 ;
獅子牡丹1 ;
獅子牡丹2 ;
獅子牡丹3 ;
獅子牡丹4 ]
| ||
fec | creased,乱獅子 | II |
獅子の劣性対立遺伝子,子葉には少し打込みがおるが葉は殆んど平らか,あるいは軽微な打込がある。花は獅子。外観上生殖器官は健全に見えるが稔性は低い。 | ||
fo | foliate,多葉性 | VII |
頂生花(terminal)の変更遺伝子として働き,程度を強める。頂生花をつけた花梗は長く伸び,丸形の小さい葉を叢生し,ときどき分枝する。 | ||
fol | folded,袋咲 | |
蕾が終生開かないし,葯は裂開せずして不稔。 | ||
fr | featheroid,偽獅子 | |
葉は小さく,生長は悪い。花も小さく羽毛状となる。 | ||
ft | faint,淡色花筒 | V |
紅色系の花色に働いて花筒を帯紅程度にする。 | ||
g | glabrous,不毛性 | |
植物体に表皮毛がいちじるしく少ない。 | ||
Gb | Globose,芋葉 | II |
葉形は丸味を持ち,翼片の発育が悪い。花輪大,しばしば5曜以上となる。洲兵系の大輪に移入したものを大黒葉又は恵比寿葉という。 | ||
gi | giant,巨大型 | |
子葉ならびに葉は大きく深緑。花も大きい。稔性は甚だ低い。 | ||
h-1 | hair-1,毛蕾性-1 | II |
h-2およびh-3と協力して蕾に毛を生じる。ことに先端に毛を生じる。 | ||
h-1D | hair-1 dominant,優性毛蕾性-1 | II |
毛蕾性-1の優性対立遺伝子。 | ||
h-2 | hair-2,毛蕾性 | III |
蕾の先端に毛を生じる。 | ||
h-2D | hair-2 dominant,優性毛蕾性-2 | III |
毛蕾性-2の優性対立遺伝子。 | ||
h-3 | hair-3,毛蕾性-3 | I |
蕾の先端に毛を生じる。 | ||
h-3D | hair-3 dominant,優性毛蕾性-3 | I |
毛蕾性-3の優性対立遺伝子。 | ||
hs | hardseed,硬い種子 | |
種皮が硬くて,ナイフで傷をつけないと発芽しない。 | ||
hw-1 | half-white-1,底白-1 | V |
花筒の下半分が白い。 | ||
hw-2 | half-white-2,底白-2 | IV |
花筒の下半分が白い。 | ||
hw-3 | half-white-3,底白-3 | |
花筒の下半分が白い。 | ||
i-1 | intense-1,濃色性-1 | V |
花色を濃くする。標準型をRidgwayのdark bluish violetにする。 | ||
i-2 | intense-2,濃色性-2 | VIII |
花色を濃くする。 | ||
ig | interaxial green,節間緑色 | |
胚軸も茎も緑色でちるが,枝や花梗の基部は着色し,花は有色。 | ||
Lb | Large bract,大苞葉 | |
苞葉が大きい。アメリカアサガオ(P. hederacea)から導入された。 | ||
Ln | Lined,立縞 | |
花はやや淡色地で不規則な濃色の条斑が入る。条斑にはいちじるしい変異がある。 | ||
lp | lilliputian,こびと | V |
胚軸や子葉柄はばなはだ短かく,子葉肉は厚く,巻込んで深緑。葉は小形で葉肉厚く,強く打ち込んでいる。葉柄もまた短い。苗の状態以上には発育しない。 | ||
ls | lobeless,無裂片 | |
葉は丸く完全な不稔。易変遺伝子で並葉に転化する。 | ||
lt-1 | light-1,淡彩-1 | III |
胚軸と茎は淡色。花も淡色。 | ||
lt-2 | light-2,淡彩-2 | VIII |
淡彩-1に同じ。 | ||
lt-3 | light-3,淡彩-3 | |
淡彩-1に同じ。 | ||
m | maple,立田 | III |
子葉は脈目立ち,耳は平行に近く並ぶ。葉は深裂して楓の葉に似て,通常5裂する。花冠は5裂し,雌蕋はしばしば不完全,稔性は低い。
見本1
見本2
見本3
見本4
見本5
見本6
見本7
見本8 | ||
mp | pine,松葉 | III |
子葉ははなはだ小,葉は糸状で松葉様。 | ||
mpm | pine mutable,易戻性松葉 | III |
立田の対立遺伝子。子葉は非常に小さく,葉は糸のようである。花は細く裂ける。少し易変性で正常に返る。 | ||
mw | willow,柳 | III |
立田の劣牲対立遺伝子。子葉細く,脈目立つ(葉は柳の葉に似る。花は細く5弁に切れる。ほとんど完全不稔。易変性で立田に転化し,まれには正常に返る。
見本1
見本2
見本3
見本4
見本5
見本6
見本7
見本8 | ||
mg | magenta,暗紅 | IV |
胚軸ならびに茎は暗紅色,花は暗紅,精しくいえばRidgwayのrood's violet,毛茸は白。 | ||
mi | miniature,燕 | |
子葉ならびに葉は甚だ小。花もはなはだ小さく5裂。花は集って小さな房状に叢生する。完全不稔。 | ||
mim | miniature mutable,易変性燕 | |
燕の易変性のもの。 | ||
Mr-1 | Margined-1,覆輪-1 | V |
覆輪-2および覆輪-3と協力して覆輪を表現する。普通のアサガオは覆輪-2と覆輪-3を含むから,覆輪花と全色花とは一般に3 : 1に分離する。 | ||
Mr-2 | Margined-2,覆輪-2 | IV |
覆輪の表現に補足遺伝子として働く。 | ||
Mr-3 | Margined-3,覆輪-3 | VIII |
覆輸の表現に補足遺伝子として働く。 | ||
Mr-4 | Margined-4,覆輪-4 | I |
おそらく覆輪表規の補足遺伝子。 | ||
Mr-5 | Margined-5,覆輪-5 | III |
おそらく覆輪表現の補足遺伝子。 | ||
Mr-f | Margined fluctuated,覆輪変更 | III |
覆輸の変更遺伝子で,その表現にいちじるしい彷徨変異を起させる。 | ||
Mr-r | Margined reduced,覆輪還元 | V |
覆輪の変更遺伝子で,覆輪の程度を減退させる。 | ||
Mr-rs | Margined-slight,軽覆輪 | V |
覆輸還元遺伝子の対立遺伝子で,ごく少量の覆輪を表現する。 | ||
ms-1 | male sterile-1,雄性不稔-1 | I |
葯が不稔,胚珠は正常。 | ||
ms-2 | male sterile-2,雄性不稔-2 | |
葉が幾分小さく,花姿もまた小さい。葯は通例不稔。 | ||
ms-3 | male sterile-3,雄性不稔-3 | |
花は小さく,葯は薄く,しわがよって褐色となる。 | ||
nl | non-lobe,無翼片 | |
芋葉(G1obose)に働いて,ほとんど翼片のない葉にする。葉は長味の丸葉ともいうベき形。 | ||
np | nipped おつまみ曜 | |
曜の頂端がわずかにつまんだようになって止まる。 | ||
op | oblique-peduncle,花梗斜出 | |
花梗が軸から斜に突出する。アメリカアサガオ(P. hederacea)から導入された形質。 | ||
p | pear,孔雀 | VIII |
普通は翼片のない長味の丸業であるが,ときには翼片が発達する。子葉柄に軽微な林風様の癖がある。花は一般に小さい。 | ||
pp | pear-petaloid,八重孔雀 | VIII |
孔雀の八重咲で,雄蕋の弁化による。弁化は花糸から初まる。普通の一重咲孔雀の対立遺伝子。 | ||
pb | piebald,まだら種子 | |
種子は黒いが,ときどき汚れた黄色の斑を生じる。雄性不稔(ms-2)と連鎖している。 | ||
pc | precocious,早熟 | II |
早生で花蕾が蔓の基部から発現する。 | ||
Pe | Pe-peroxidase,Peパーオキシダーゼ | |
Pe1C,pe2C はパーオキシダーゼアイソザイム1C,2Cの構造遺伝子。PeO は不活性型。 | ||
pg | pigmy,矮小 | |
子葉は小,きわめて小形の葉を叢生し,茎はほとんど伸長しない。不稔。 | ||
Pj | Projected,突起 | |
丸葉に働いて小さな翼片様の突起を出す。並葉ではそれほどはっきりとはしない。 | ||
pl | palmate,掌状葉 | II |
葉は5裂する。但し花は昔通で裂けない。 | ||
pp | pipy,管咲 | |
花は管のようで小さい。易変性で正常に返える。 | ||
pr | purple,紫 | V |
花色の濃藍をRidgwayのcotigna purpleにする。ときどき変異する。 | ||
pt | petaloid,八重咲 | |
雄蕋の弁化による八重咲,弁化は葯から初まる。程度が低ければ葯は花粉を吐く。雌蕋は完全。 | ||
py | polymorphic,乱菊 | |
子葉の裂片はいちじるしく詰り,ときどき分岐する。葉は一般に不規則に裂けて先が尖る。花は曜の数が極めて多く摺をとり,しばしば不規則に切れる。稔性不完全。 | ||
r-1 | r-1-white,r-1 白 | III |
茎は緑で花は白,花筒は着色することと白のこととがある。+ca,+c-l,+a,+C-2,あるいは+C-3 と協力して花の着色に関係する。 | ||
r-2 | r-2-white,r-2白 | |
r-1に同じ。 | ||
r-3 | r-3-white,r-3白 | |
r-2に同じ。+r-1,+r-2 および+r-3 は補足遺伝子。 | ||
re-1 | retracted-1,洲浜-1 | VII |
子葉の耳が詰って丸い。葉の裂片も詰るが,とくに中央裂片はいちじるしい。花輪は大,曜はしばしば5以上になる。稔度は低い。現在の大輪朝顔はすベて洲浜遺伝子を含む。 | ||
re-2 | retracted-2,洲浜-2 | I |
洲浜-1に同じ。 | ||
rt | root1et1ess,側根不全(無側根) | |
子葉は一般に浅く裂けている。蕾の幼いとぎは側根がないが後には太い曲ったぎこちない側眼を生じる。分離比がいちじるしく低いが,これはrlを含む花粉管の生長がおそいためである。 | ||
Rt | Restricted,毛じ制限 | II |
萼の毛じ分布を制限する。 | ||
Ry-1 | Rayed-1,車絞-1 | V |
花は星状部だけが有色で,他は暈となって褪色している。 | ||
Ry-2 | Rayed-2,車絞-2 | III |
放射状に色を表現するためのRy-1およびRy-3との互助遺伝子。 | ||
Ry-3 | Rayed-3,車絞-3 | III |
Ry-1に同じ。 | ||
s | star,桔梗渦 | |
渦(contracted)に似ているが花は星咲。
見本 [
桔梗 ;
桔梗 ;
笹桔梗牡丹 ]
| ||
Sa | Striated,刷毛目絞 | III |
淡色の地に細かい条班が刷毛をかけたように分布する。条斑はヘテロの方が目立つ。花筒は白。 | ||
sb | shrubish,半叢生蔓 | V |
苗はやや小,葉の裂片は先尖り,葉質は硬い。枝蔓が下部から発生し,幾分叢生の気味あり。 | ||
sc | semi-contracted,さかい渦 | II |
子葉と葉が幾分厚くてもろい。すべての器官が幾分渦性。葉耳の重なりが渦ほどではない。 | ||
sd | stunted,いじけ | |
生長がおそくいじけている。茎はいじけ,葉はしわがより,花は不規則に裂ける。稔度は非常に低い。 | ||
Sf | shaded off,縁ぼけ | |
花色が縁辺に向ってうすくぼける。 | ||
s-fm | sterile,不稔 | |
葉も花も小さい。生長も悪い。雌雄蕋とも不稔。 | ||
sg-1 | stringy-1,糸蔓-1 | V |
茎は長くて糸のようである。めったに側枝を出さぬ。 | ||
sg-2 | stringy-2,糸蔓-2 | III |
sg-lに同じ。sg-1は+sg-2と共存すると並茎とたる。 | ||
sh | shrubby,叢生枝 | |
矮性で草文45cm以下,枝蔓蜜に叢生。 | ||
si | stiff,筋金 | V |
曜が硬くなったため,花が開きにくい。 | ||
Sl | Stellate,星形花色 | |
ホモの覆輪花に働らく変更遺伝子。白い部分をひろげ花冠の中央に星形の花色を残す。 | ||
sn | syncotyI,子葉融着 | |
2枚の子葉が融着して盃状となる。不稔。 | ||
sp-1 | speckled-1,吹掛絞-1 | III |
胚軸と茎に条が現われ,花冠には色素を吹掛けたような斑点ができる。この斑点の量にはいちじるしい変異がある。 | ||
sp-2 | speckled-2,吹掛絞-2 | III |
吹掛絞-lと同じ。 | ||
sp-d | speckled-decolorizer,吹掛絞脱色 | III |
吹掛絞の変更遺伝子である吹掛絞還元に同じ。しかしほとんど総ての斑点が脱色するから地色のように見える。 | ||
sp-r | speckled-reduced,吹掛絞還元 | III |
吹掛絞の変更遺伝子。胚軸や茎はだいたい緑であるが,枝や花梗の基部には極く淡い色がある。花の地色は黄,青白,白などで,それに小点が時折あらわれる。 | ||
sph | spheloid,丸種子 | |
種子は小さくて丸味をもち,種皮は褐色。 | ||
spl | pollen-sterile,花粉不稔 | III |
花粉不稔。 | ||
spr | spiral tortion,螺旋巻き | VIII |
茎または葉柄が螺旋様に巻く。 | ||
spt | septalobata,7裂葉 | |
立田の変更遺伝子。葉を7裂にする。 | ||
sr-1 | side-reduced-1,鼻葉-1 | V |
葉の翼片だけが詰り丸味をもつから葉全体が鼻形となる。
見本 [
鼻葉 ;
立田鼻葉白切咲 ;
立田鼻葉淡紫切咲
ひさご葉 ;
ひさご葉 ;
かたつむり葉 ;
お多福葉 ;
] | ||
sr-2 | side-reduced-2,鼻葉-2 | III |
鼻葉-lと同じ。 | ||
st-1 | striped-1,条斑-1 | VI |
淡い地色の花に条斑が不規則に現われる。 | ||
st-2 | striped-2,条斑-2 | VIII |
条斑-1に似ている。 | ||
st-3 | striped-3,条斑-3 | III |
条斑前二者に似ている。 | ||
su-Cy | Cream yellow suppressor,クリーム・黄の抑圧 | III |
クリーム・イエローの色を抑圧して白の地色にする。 | ||
su-dg | dragonfly-suppressed,蜻蛉葉抑圧 | VII |
蜻蛉葉に働いて正常の三尖葉にする。 | ||
su-g | glabrous suppressed,不毛性抑圧 | |
不毛性に働いて正常の有毛葉を生じる。 | ||
Su-Mr | Margined-suppressed,覆輪抑圧 | V |
覆輪の表現を抑制し全色花を生じる。 | ||
su-nl | non-lobe-suppressed,無翼片抑圧 | |
芋葉と無翼片(non-lobe)の存在において無翼片に働いて正常の芋葉にもどす。 | ||
su-tw-1 | tube color suppressor-1,花筒色抑圧-1 | II |
花箇色抑圧-2と協力して花箇色の表現な抑え白い筒色にする。 | ||
su-tw-2 | tube color suppressor-2,花筒色抑圧-2 | |
花筒色抑圧-1に同じ。 | ||
sw | shallow,浅い裂片 | |
子葉は丸形で裂片の切込みが浅い。不稔。 | ||
sz-1 | size-1,大輪性-1 | |
茎集は正常であるが,花が大きくなる。 | ||
sz-2 | size-2,大輪性-2 | V |
大輪性-1に同じ。 | ||
t | terminal,頂生花 | I |
花梗は長く伸び,丸形の葉と蕾とを着生する。頂生花には苞がない。腋生花には小さい苞がある。頂生花が先に咲く。 | ||
ta | tardy,のろま | |
初めの頃の花蕾は総てしぼんでしまう。後には開花する。 | ||
tg | tinged,薄色 | III |
花色を極く淡い色にする。 | ||
tl | trilobata,3尖葉 | |
立田の変更遺伝千。立田葉を3尖葉にする。 | ||
tw-1 | tube-white-1,筒白-1 | V |
花筒を白にする。 | ||
tw-2 | tube-white-2,筒白-2 | III |
花筒を白にする。 | ||
tw-3 | tube-white-3,筒白-3 | IV |
同上。 | ||
v-1 | variegated-1,斑入-1 | I |
葉に白斑を現わし,茎に白条を生じる。子葉にときどき白斑が出る。種皮は黒褐色で背に黒縞がある。白斑の出現は葉緑体の他力および自力突然変異による。 | ||
v-2 | variegated-2,斑入-2 | II |
斑入り-1に同じ。 | ||
v-3 | variegated-3,斑入-3 | III |
斑入-lに同じ。 | ||
v-r | variegated-reduced,斑入還元 | |
葉に淡緑色の細かい斑がある。斑入はときどき網状となる。斑入に働らく変更遺伝子。色素体の反復突然変異による。 | ||
vi | virescent,浅緑色 | |
子葉と葉は青白く,発育がおくれ,生活力が弱い。榮養不良のため,花も葉も小。 | ||
vt | velvet,長毛種皮 | |
種皮に長毛を生じる。 | ||
Wd | White-dominant,優性白色 | |
花色を抑圧して白色とする。 | ||
we | weeping,枝垂れ | |
茎も枝も巻かない。植木鉢から直角に下向する。 | ||
wl | wrinkloid,しわ咲 | |
花にしわがよる。しかしいちじるしくない。 | ||
wr | wrinkld,縮咲 | |
花は縮咲て星形を呈し,稔性が低い。易変性でなみに転化する。 | ||
xt | xanthic,鮮黄子葉 | |
子葉が鮮黄色で,後淡黄色となる。ときに緑斑の入る易変遺伝子。普通は葉を出さないで枯死するが,緑斑が生長部にあると発育する。 | ||
y-1 | yellow-1,黄葉-l | III |
茎も葉も黄緑色。
見本 [
黄葉立田 ;
雀斑 ] | ||
y-m1 | yellow mutable-l,松島-l | III |
黄葉であるが,体細胞突然変異のため黄葉に緑色の点や斑ができる。易変性で正常葉に転化する。 | ||
y-m2 | yellow mutablel-2,松鳥-2 | III |
松島-1と対立遺伝子。松島-lより易変性が強い。 | ||
y-2 | yellow-2,黄葉-2 | III |
黄葉-lと同じ。 | ||
ye | yellowy,偽青葉 | |
子葉は黄緑色。しばしば緑斑をもつ。若い業も黄緑色で緑点をもつが,古くなると緑点が拡大して並業のようになる。易変性。 |