感染と病気
大腸菌に感染し、増殖する。
粒子構造と遺伝子
直径約100nmの正二十面体構造の頭部に約110nmの長さの収縮性の尾部が付く。尾部先端には基盤(base plate)と6本の尾繊維(tail fiber)がある。粒子は、丁度月着陸船のように、大腸菌の細胞壁に基盤と尾繊維でしっかりと接着する。すると尾部が収縮し、頭部に詰まっていた遺伝子DNAが大腸菌内に注入される。遺伝子は、約60ミクロン（0.06mm）の長さの二本鎖DNA。
岡田吉美は、Ｔ4ファージが作る蛋白質の一つ＜リゾチーム（蛋白質を分解する酵素の一つ）＞を用い、いろいろな変異型リゾチームのアミノ酸配列を比較し、それらの遺伝子の塩基配列を推定する事により、遺伝子の”フレームシフト変異”を証明した。遺伝暗号のコード表の完成に重要な役割を果たし、誕生間もなかった分子生物学の発展に寄与した。
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（矢崎 和盛＜法政大学＞）