φ29様ウイルス



φ29-like viruses
  

 非収縮性の短い尾部を持ち、細菌に感染するウイルス(ポドウイルス科 Podoviridae、φ29様ウイルス属 φ29-like viruses)の仲間。

主なウイルス

枯草菌ファージ φ29
枯草菌ファージ Nf
枯草菌ファージ M2

 枯草菌(Bacillus subtilis)に感染する。長さ約6nmの直鎖・二本鎖DNAを遺伝子とする。頭部の直径は、約31nm。尾部の付け根に葉っぱのような付属器官が12枚付いている。尾部の先端は、やや膨らんでいる。遺伝子は、直鎖・二本鎖DNA。

 広川秀夫によって、φ29の遺伝子DNAの5’末端に蛋白質が共有結合していることが発見された。(末端結合蛋白質) 遺伝子核酸の末端に、蛋白質が共有結合している場合があることが示された最初の例。この蛋白質が結合していないと、このファージの遺伝子DNAは複製出来ない。(protein priming) この発見の後、アデノウイルス(遺伝子はDNA)、B型肝炎ウイルス(DNA)、ポリオウイルス(RNA)、口蹄疫ウイルス(RNA)等で末端結合蛋白質の発見が続いた。
  Hirokawa H. (1972) PNAS USA, 69, 1555-3559.


(矢崎 和盛<法政大学>)


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