フラビウイルス科 Flaviviridae



科名は、ラテン語の flavi 黄色 に由来する。


フラビウイルス属 Genus:Flavivirus
    主なウイルス:黄熱病ウイルス Yellow fever virus(YFV)
           デング熱ウイルス Dengue virus (DENV)
           日本脳炎ウイルス Japanese encepalitis virus (JEV)

ペスティウイルス属 Genus:Pestivirus
    主なウイルス:Bovine viral diarrhea virus 1(BVDV-1)

ヘパシウイルス属 Genus:Hepacivirus
    主なウイルス:C型肝炎ウイルス Hepatitis C virus(HCV)


・感染と病気

   フラビウイルスは、ダニや蚊によって媒介される。黄熱病ウイルス、デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルスなどは、蚊で、ロシア春夏脳炎ウイルス、などはマダニで媒介される。C型肝炎ウイルスは、主に感染血の輸血によって感染する。ときに慢性肝炎に移行し肝ガンの原因ともなる。

・粒子構造

   直径40-50nm の球状粒子で、エンベロープを持つ。

・遺伝子

   約11,000塩基の大きさの一本鎖直鎖(+)RNAを遺伝子とする。


 野口英世が、黄熱病 (Aedes aegypti ネッタイシマカによって媒介される。発熱、発疹、出血熱を見ることもある) の病原体の研究中、黄熱病で倒れたことはよく知られている。パナマ運河の成功は、黄熱病を媒介するカの駆除により、黄熱病の予防に成功したことが原因といわれる。

(矢崎 和盛<法政大学>)


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