ブニヤウイルス科 Bunyaviridae

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ブニヤウイルス属 Genus:Bunyavirus
    主なウイルス:ブニヤンベラウイルス Bunyamwera virus(BUNV)

ハンタウイルス属 Genus:Hantaanvirus
    主なウイルス:ハンタウイルス Hantaan virus(HTNV)

ナイロウイルス属 Genus:Nairovirus
    主なウイルス:Dugbe virus(DUGV)

フレボウイルス属 Genus:Phlebovirus
    主なウイルス:リフトバレー出血熱ウイルス Rift Valley fever virus(RVFV)

トスポウイルス属 Genus:Tospovirus
    主なウイルス:トマト黄化えそウイルス Tomato spotted wilt virus(TSWV)


・感染と病気

   動物、植物に感染するものがある。動物では、カやダニを中間宿主として他の動物に伝播されるものが多い。しかし、ハンタウイルスはげっ歯目の動物(ネズミなど)を自然宿主としており、げっ歯目動物が排出したウイルスにヒトが感染すると、腎症候性出血熱や呼吸困難を特徴とするハンタウイルス胚症候群を引き起こし、ときに重篤な経過をたどることがある。
   トマト黄化えそウイルスは、アザミウマ目(総翅類)昆虫で媒介される。ナス科、マメ科、キク科など、単子葉、双子葉植物に広く感染する。

・粒子構造

   約100nmの径を持つ球状ないし楕円形で、やや多形性を示す。エンベロープを持つ。エンベロープ表面には、長さ10nmのスパイク(細い突起構造)を持つ。エンベロープ中に三種の複合体ヌクレオカプシド(遺伝子-タンパク質)を持つ。ヌクレオカプシドは、太さ約2.5nm、長さ200〜3000nmの繊維状構造で螺旋状になっている。

・遺伝子

  L、M、Sの大きさの異なる三本に分節した(分かれた)一本鎖(−)RNAを遺伝子とする。それぞれが、ヌクレオカプシドを作って粒子中に存在する。粒子内に転写酵素を持ち、これを用いて感染細胞の細胞質内でmRNAを合成する。

(矢崎 和盛<法政大学>)


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