バキュロウイルス科 Baculoviridae



核多角体病ウイルス属 Genus: Nucleopolyhedrosis virus
   主なウイルス:Autographa californica multiple nucleopolyhedrovirus(AcMNPV)

グラニュロウイルス属 Genus:Granulovirus
   主なウイルス:Cydia pomonella granulovirus(CpGV)


・感染と病気

   昆虫に感染する。NPVは、感染細胞の核内に巨大な封入体(多角体)を作る。そのため、このウイルスは、増殖過程で大量の多角体タンパク質を作るという性質を発揮する。この性質を利用して、外来遺伝子を多角体遺伝子と置き換えて、目的とするタンパク質を大量に生産させるための遺伝子操作用ベクターに利用される。遺伝子組み換えNPVを、蚕五令幼虫に注射して行うこともある。
菌類〔華カビ)、クモ、カニなどにも、同様のウイルスがあるという。

・粒子構造

   1個または数個のヌクレオカプシド(DNA-タンパク質複合体)が、エンベロープに包まれて棹状粒子になっている。

・遺伝子

   遺伝子は、分子量30〜100×106の環状(超らせん)二本鎖DNA。

(矢崎 和盛<法政大学>)


<トップページに戻る>