公開講演会:生物多様性研究・教育を支える広域データベース |
アサガオ類画像データベース 米田芳秋 |
4)今後の課題と将来の維持管理 |
本データベースは項目としてはアサガオについてのすべてを網羅しているので今後も各項目の充実に努めたい。分子遺伝学的な研究においては遺伝子連鎖群の精密化,変化アサガオの多彩な形質とトランスポゾンとの関連追究,形態形成の理解,遺伝子導入などの問題がある。
江戸時代の朝顔図譜に濃い黄色花の図がある。現在薄い黄色花しかみられないので,この濃い黄色花アサガオの育成は趣味家の夢である。他の黄花植物からの遺伝子導入によって解決されるかも知れない。花持ち性の改善についても同様の手法によって成功するかも知れない。種間交雑育種の方向性としては宿根性ノアサガオの利用が可能になると面白い植物が誕生するであろう。
昨年,発見した午後開花アサガオは開花時刻を決めるしくみを理解する上で役立ちそうであり,園芸的にも面白い性質である。
以上,遺伝学的および園芸的な面からのアサガオの将来の課題である。筆者としてはこのアサガオ画像データベースが生物面のみならず,今後は文化系の諸事項を含めた大ネットに発展することを期待して止まない。また他の古典園芸植物とも連係してインターネット上で公開されることも望ましい。
データベースの具体的な維持管理法として現在は総研大,法政大,新潟大,九州大において管理し,ミラーを遺伝学普及会に置いているが,今後は九州大を中心に維持管理をしていく予定である。
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