公開講演会:生物多様性研究・教育を支える広域データベース |
日本産アリ類画像データベース 今井弘民(国立遺伝学研究所 / 総合研究大学院大学) |
アリ類画像データベースの特色 | ||
5. 分類画像データベースと印刷出版 |
分類学の分野では,データベースは長い間研究業績として認められなかった。そのような寒風の中でアリ類データベースは,データベースの手本もないまま試行錯誤を繰り返しつつ,常に時代のフロンティアとして活動を続けてきた。幸いにも文部省科学研究費補助金(研究成果公開促進費,データベース:平成1-3,5-10年度),総合研究大学院大学共同研究費(平成9-14年度)および科学技術振興事業団生物多様性情報データベース(平成13-14年度)等の研究助成を受けることができ,その成果は,アリ類画像データベース2003年改訂版として近々完成の予定である。アリ類のデータベースとしては,質量ともに決して欧米に引けを取らない内容であると自負している。
我々の努力が天に通じたのか,最近ようやくデータベースが研究業績としても評価されるようになり,ついに総合研究大学院大学の出版助成と学研の協力を得て,データベースの成果を"Ants of Japan"および「日本産アリ類図鑑」として英文と和文の二冊の印刷本として後世に残す機会に恵まれることになった。望外の喜びである。高品質画像が決め手であった。Web上のデジタルデータベースはユーザーのニーズに合わせた多面的検索ができる点で優れているが,伝統的な印刷本はアナログ情報に慣れ親しんだ世代として感無量の重みがある!とまれ,英文印刷本にはアリ類画像データベース2003年改訂版のCD-ROMを付録につけて,デジタルとアナログを共存させるつもりである。
最後にこのようなユニークなデータベースを構築したアリ類データベース作成グループのメンバーの名前をあげて,本講演の締めくくりとしたい。
今井弘民,木原章,近藤正樹,久保田政雄,栗林慧,緒方一夫,小野山敬一,R. W. Taylor,寺山守,月井雄二,鵜川義弘,吉村正志 (abc順)
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