原生生物データベース
CD-ROM版(Macintosh用)の

無料配布について

法政大・教養・生物  月井雄二
 

 ゾウリムシの接合やアメーバの分裂の話題は生物の教科書によく登場しますが,教材として実際にその様子を見せるのはなかなか難しいものです。
 今回,我々原生生物データベース作成グループ(月井雄二・木原章[法政大],鵜川義弘[農水省生物資源研])は,専門の研究者が撮影したそれらの画像をデータベース化しインターネットで公開するとともに,そのCDROM版を作成しました。この活動は文部省の科研費(試験研究B 課題番号 07558052)で行なっており,作成したCDROMを希望者に無料で配布しています。
 

1)作成の目的

 研究者は研究の過程でたくさんの写真や測定値などの実験・観察データを生産しますが,論文の形で公開されるのは,従来,それらのごく一部に限られていました。そして,残った膨大な量の素材データは多くの場合,研究者個人の手元に保管されたまま日の目をみずにやがては消滅する運命にありました。
 もしそれらを一般に公開して他の人々が自由に利用できるようにすれば研究・教育・その他の活動に役立つはずです。しかし,これまではそのような膨大な量の素材データを一般に公開する場(メディア)が存在しませんでした。そのため,それはやろうとしても不可能だったわけですが,近年のインターネットの発達はその不可能を可能にしました。
 その一例がこの原生生物データベースです。とくにインターネットで公開した場合,それらのデータには研究者だけでなく誰でも自由にアクセスできますので,研究以外にも教育分野等の幅広い利用が あるものと期待されます。
 CDROM版を作成した理由は,データベースが画像中心のためCDROMの方がアクセスが容易で利用しやすいことと,インターネットはマスコミでは大変な話題になっていますが,現時点ではまだまだ十分には普及していませんので,CDROMによりネットワークに接続できない多くの方にも利用してもらうことにあります。
 

2)CDROMの内容

 今回作成したCDROMは,インターネットの利用法として今もっともさかんなWWW(World Wide Web)という方式でデータを閲覧できるようになっています。ただし,ネットワークに接続する必要はありません。Netscapeなどのブラウザを使ってCDROMに直接アクセスして原生生物の様々な画像やテキストデータを見ることができます。詳しい操作法はCDROMの中にある解説文をご覧下さい。
 今回のCDROMはネットワーク公開したデータベースの内容をそのままコピーしたものです。データベースには今後も随時データを追加していきますので,最新のデータを利用したい場合は,インターネット経由で下記のアドレスにアクセスしてください。
 石巻専修大学  http://202.250.194.136/WWW/index-J.html 
 筑 波 大 学  http://130.158.208.53/WWW/index-J.html 
 法 政 大 学  http://protist.i.hosei.ac.jp/protist.html 
 総合研究大学院大学  http://taxa.soken.ac.jp/WWW/index-J.html 新設!
 農業生物資源研究所  http://150.26.230.91/WWW/index-J.html 

 また,内容には一部誤りや曖昧な部分が残っている可能性があります。これらはわかり次第随時修正します。それらはネットワーク上のデータベースにはすぐに反映されますが,CDROMの改訂はしばらく後になりますのでご了解ください。

 

3)その他

 NetscapeなどのWWWブラウザが必要です。その入手については自助努力でお願いします。
 ただし,Netscapeがなくても 内部の画像ファイル・その他を個別に開いて見ることができます。各画像ファイルには Previewアイコン(縮小画像)がついていますので,画像を開かずとも内容の見当がおおよそつくと思います。


「生物教育」Vol.35掲載予定の文より抜粋/一部改変

**この文章は、1996年度の「生物教育学会」でCD-ROMの配布を行った際に添付したパンフレットの本文です。