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たねは5月ごろまくといいそうですが,おくれてもだいじょうぶですか。
 もちろんだいじょうぶです。たねは,気温が20℃以上になり,十分な水分や空気があれば発芽します。 中部地方では,こにょうな条件がそろうのが,5月のはじめごろです。 東北地方や北海道では,6月になってからたねをまくといいでしょう。 南に行くにしたがって,まく時期を早めます。また発芽後には,おそじもがおりる心配もあるので, その年の天候を考えて時期をきめましょう。
 たねをまく時期と花がさくまでの期間を表にしたので参考にしてください。 5月ごろにまく,だいたい60〜70日ぐらいで花がさきはじめます。 表を見ると,おそくまけばまくほど花がさくまでの日数が短くなるのがわかるでしょう。 これはどうしてでしょう。
 アサガオは,日が長くなる季節にはくきや葉がしげり,日が短くなり, 夜が一定時間より長くなると花芽ができて花がさく性質があるからです。 このような性質の植物を「短日植物」といい,同じなかまに,ダリア,キク,コスモスなど秋にさく花があります。 短日植物とは反対に,「長日植物」とよばれるものがあります。これは,日の短い季節に葉やくこをしげらせ, 日の長さが一定時間以上になると花をさかせるものです。ヒヤシンス,キンギョソウ, チューリップなど春に花がさくものがこれにあたります。ほかに日の長さにあまり関係なく花芽ができる植物があり, 「中性植物」といいます。シロツメクサ,ツユクサ,カタバミなどが中性植物です。 こうした性質を利用すると,花のさく時期を早くしたり,おそくすることができます。
 たとえば,アサガオで発芽しためばえに,夕方4時に箱などをかぶせ,日があたらないようにし, つぎの日の朝8時に箱をとって日にあてます。こうして1週間,日の長さを8時間にし, あとはしぜんに育てたものは,なにもしないで育てたものより20〜30日も早く花がさきはじめます。
 花屋に一年じゅう短日植物の秋ギクが売られているのは,どうしてかわかりますか。 それは人工照明で日の長さを調節して,キクの花のさく時期をかえてつくっているからです。 花芽がどのようにしてできるかは,まだよくわかっていません。

たねをまいてから花がさくまでの日数(東京にて,大輪アサガオのばあい)

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