これまで様々な条件で培養を試みてきたものを
液肥での培養に切り替えたが,混入していた微細藻が増えてしまい,
シャーレのほとんどでS. pyriformisが絶えたか,
かなり数が減った,ないし,まだ形は保っているものの,丸まってほぼ死滅しつつある状態だった。
ただし,これらは上記のように,液肥に切り替える前に,様々な条件で培養を試みたサンプルなので,
微細藻の影響以外に,その当時の影響が残っていた可能性も考慮する必要がある。
#他にもたくさん液肥で培養を試みているが,総じて,微細藻が混入している場合,液肥の交換を頻繁に行わないと,
次第に微細藻が増えていく。それとともに S. pyriformisは弱ってしまう傾向が見られた。
(微細藻の種類によっては影響ない場合もあるが,多くの場合,S. pyriformisにとっては有害だった)。
これらの微細藻は,キロモナスで培養している場合,コンタミのバクテリアが増えるので微細藻増殖は抑えられていた。
しかし,液肥の場合,バクテリアはほとんど増えないので,替りに微細藻が増殖しやすくなったと思われる。
一方,微細藻の混入がない(または混入していても,あまり増殖しない場合)サンプルでは,S. pyriformisが増えていた。
とくに一部にS. pyriformisが異常なほどの速さで分裂?している(ように見える)現象がみられた。
サンプル:田代平湿原(青森市)2015.10.05, 856
07/16に液肥に替えたところ,わずか9日で2回も2倍希釈を行うことができた。
すなわち,推定で2回分裂したことになる。
1回目の分裂は,液肥に移す前に蓄積された栄養でまかなわれた=
いわゆる carry-over 効果とも考えられるが,それが2回も続くとなると液肥で光合成を行ったことで増殖した可能性もある。
この傾向が今後も続けば,このS. pyriformisは,共生藻が作り出す養分によって増殖しているといえるはず,だが,,。
さてどうなるか。
1〜3枚目:サンプルの一部。
4枚目:右2列が田代平湿原サンプルが入ったシャーレ。10日ほど前はわずかな枚数しかなかったが,
この間に2倍,2倍で増えたことで,このように多くなった。
S. pyriformisの分裂速度は1ヵ月/回というこれまでの常識は覆されるか??