公開講演会:生物多様性研究・教育を支える広域データベース
牧野標本館タイプ標本データベース
 木原 章(法政大学 自然科学センター),加藤英寿(東京都立大学 牧野標本館)
2.データベース化への道のり
back 2-5 Webで公開するための手法 back

 本データベースでは,入力中のデータをできるだけ早く公開するために,ファイルメーカーのWeb機能を使って,入力データを即公開できるシステムと,ネットワーク接続無しでも内容を見ることができるシステムとして,HTMLに書き出しCD−ROMとして配付する方式の2つのステムを併用している。

○ ファイルメーカー版

http://MAKDB.shizen.metro-u.ac.jp/database.htm

 ファイルメーカー版では,利用者が入力したキーワードに基づいて検索結果を出力し,その一覧の中から目当ての標本を見つけ出す方式を採用している(図6)。この方式の利点は,データ入力側の更新が,そのままWebの更新に対応することと,既知の知識を持つ人間が,目的の標本データを見つける時に役立つ方式である。


図6 ファイルメーカーを利用した検索結果例

○ HTML版(CD-ROM版)

http://wwwmakino.shizen.metro-u.ac.jp/MakinoDB/makino/html_j/index.html

 ファイルメーカーで作られたデータベースを,AppleScriptを用いてHTML文に書き出し,CD-ROMとして配付した(図7)。この方式の利点は,サーバーやネットワークの負荷を減らすことができる点,CD-ROMが出版物と同様の汎用性をもつので,学術的な文献としての引用に耐え,また将来的には時代を示す証にもなる点が挙げられる。更に,副次的な効果として,CD-ROM発行はデータベースを作る側のモチベーションを高め,締め切りを設定することで具体的な作業目標の設定が可能となる点で,データベース構築を一気に進めることができるチャンスを与えてくれる。
図7 牧野標本館タイプ標本データベース
CD-ROM版

 この方式の欠点は,構築中のデータベースの一時的な側面を繁栄させることしか出来ない点で,即時性に欠ける点,あらかじめ用意したHTMLへのリンクだけで構成されるので,柔軟な検索機能を期待できない点が挙げられる。


図8 索引画面の一例

 検索機能をできるだけ強化するため,2001年に発行したCD-ROM版では,学名や和名のみならず,最終地名などでもリンクを辿れるように,索引として9種類の項目(科  名・科学名・タイプ和名・現行和名・タイプ学名・現行学名・標本番号・採集地名・科別画像一覧)を設定した(図8)。
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