公開講演会:生物多様性研究・教育を支える広域データベース
日本産アリ類画像データベース  今井弘民(国立遺伝学研究所 / 総合研究大学院大学)
アリ類画像データベースの特色
back 4. 世界に通用する分類データベース back

アリ類データベースは,画像を中心としているために海外のユーザーも利用できる。しかし,より詳しい内容を理解するためにはどうしてもテキストが必要になる。この点本データベースはカード型のソフトであるファイルメーカーを使用して,日本語と英語の二カ国語でデータベースを作成しているので,英語圏の一般ユーザーも広く利用が可能になっている。

 英語化に際しては,アリ類データベース作成グループ(JADG)のメンバーにオーストラリアのアリ類分類研究者(R. W. Taylor)がいたことが非常に心強かった。日本人にとって英語はどうしてもネックになるからである。しかしまた逆に,日本のアリ類データベースのノウハウを生かして,オーストラリア産アリ類画像データベースもできたことを考えると,これからのデータベース構築には国際的な協力関係がいかに大切であるかを示唆していると思う。アリ類データベースはそのモデルケースといえよう。

 世界に通用するデータベースになるためには英語版データベースは必須であるが,欲を言えば,英語だけでは非英語圏の一般ユーザーの利用は難しい。そこで将来的には英語版を国際標準とし,日本語版を各国語に翻訳して置き換えることによって,英語-各国語の二カ国語データベースを作成することが望ましいと思っている。技術的にはアリ類データベースはそれが可能なシステムを内蔵していることを付け加えておく。

back I N D E X back